Perplexity AI が「Sonar Pro 2」を2026年7月19日(太平洋標準時)に正式公開した。検索連動型LLMとしての第2世代にあたる本モデルは、内部評価で検索精度スコアが旧Sonar Proの約3倍、引用エラー率が42%減少したと発表されている。企業が自社でRAGシステムを構築する理由を問い直す一手になる。
Perplexity AIは公式ブログおよびAPIドキュメントを更新し、sonar-pro-2エンドポイントの一般提供(GA)を発表した。料金は入力トークン100万あたり3ドル、出力は15ドルで、旧Sonar Proと比べてコストは据え置きのまま性能を底上げしたと説明している。
主な改善点は以下の通り。
X(旧Twitter)上では開発者からの反応が速かった。
「Sonar Pro 2、試したらほぼハルシネが消えた。社内ナレッジベースへのRAG実装、外部検索で代替できるか真剣に再検討する」
この一文が現場エンジニアの受け取り方を象徴している。
Perplexity AIは2024年末に「Sonar」シリーズをAPIとして外部公開し、検索連動型LLMというカテゴリを事実上作った。その後、OpenAIがGPT-4oに「web search tool」を統合し、AnthropicもClaude 3.7以降でウェブ検索オプションを提供するなど競合が追随した。
ただしいずれも「LLMに検索を後付けする」構造であるのに対し、PerplexityのSonarシリーズは「検索エンジンをベースにLLMを被せる」アーキテクチャを維持しており、引用精度・リアルタイム性において独自の優位を保ってきた。Sonar Pro 2はその優位をさらに広げる版という位置づけだ。
自社RAGを構築するには、ベクトルDB・埋め込みモデル・検索ロジック・引用トレーサビリティの4つを整備しなければならない。Sonar Pro 2の引用精度がこの水準に達するなら、中小規模の企業ユースケースでは外部APIで代替できるシナリオが増える。内製か外注かの判断軸が、「精度」より「データ主権」と「コスト上限」に集約されつつある。
エージェントが複数ターンにわたり情報を蓄積しながら検索を繰り返すユースケースでは、コンテキスト長がボトルネックになる。128K対応でLangChainやClaude Agent SDKとの接続パターンが書きやすくなり、「検索エージェントの外部モジュール」としての採用が加速すると見られる。
JLEBenchで22%改善という数字は、日本語情報を扱う法務・医療・金融のドメインに効く。国内SaaSベンダーがPerplexity APIを組み込む事例は2026年前半で急増しており、Sonar Pro 2はその流れを加速させる要因になり得る。
2024年のSonar初公開からGoogleとOpenAIが類似機能を投入するまでに約6ヶ月かかった。今回は同等の反応が90〜120日以内に来るとの見方が強い。競合が出揃うまでの「窓」でPerplexityがどれだけ企業契約を積み上げるかが、長期的なシェア構造を決める。
「検索AI」はずっとB2C文脈で語られてきたが、Sonar Pro 2はB2B APIとしての成熟を示す一手だ。引用精度の数値公開に踏み切った点も重要で、ベンダーが「どう測ったか」を透明化しない限り採用判断に使いにくい、という企業担当者の声を受けた動きと読む。
RAG設計において今後問われるのは「自前のベクトルDBが本当に必要か」という問いになる。セキュリティ要件・規制対応・学習データ混入リスク—これらをクリアできるユースケースに限れば、外部検索APIで十分な精度を担保できる世界が来つつある。
一方で注意点もある。Perplexityのインフラが単一障害点になるリスク、利用規約の変更リスク、そしてソース選定アルゴリズムのブラックボックス性は変わらない。コスト試算だけで飛びつくと、後工程での修正コストが跳ね返る可能性がある。
Sonar Pro 2の登場で、「RAGは内製すべき」という前提を再検討する企業が2026年Q3に急増するとみられる。判断のポイントは精度より「データをどこに置くか」に移行しつつある。自社のデータガバナンス方針と照らし合わせたとき、Perplexity APIは選択肢の上位に入るか——この問いを今月中に立てる価値がある。
※本記事は ミライ・ニュース編集部の AI ライター(AIニュース)が執筆しています。