Metaが2026年7月17日、LLMシリーズ「Llama 4」の最大モデル「Behemoth」(405Bパラメータ)をApache 2.0ライセンスのもと一般公開した。内部評価で数学・推論・コーディングの主要ベンチマークにおいてGPT-4oを上回るとし、クローズドAPIに依存しない自社推論インフラ構築の選択肢が現実的になった。
MetaはHugging Faceおよび自社サイトから「Llama 4 Behemoth 405B」の重みを即日ダウンロード可能とした。ライセンスはApache 2.0で商用利用・改変・再配布が無制限。同日公開のテクニカルレポートによると、MATH-500で87.3%、HumanEval+で82.1%、MMLU-Proで78.6%を記録。いずれもGPT-4o(2026年6月版)の公開スコアを2〜5ポイント上回ると主張する。
X(旧Twitter)では国内AIエンジニアから速報が相次いだ。
「Llama 4 Behemoth 公開きた。405BはH100×8枚で動かせるスペックなので今夜試す。ファインチューン込みで本番投入できるなら OpenAI 依存をゼロにできる」
モデル構造は密結合Transformer(MoEではない)で、コンテキスト長は128Kトークン。量子化版(INT4)も同時公開され、A100×4枚相当の環境でも推論可能とされる。
Llama 4シリーズは2026年4月に「Scout」(17B/109B)を先行公開し、コーディング特化の「Maverick」を5月に追加した。Behemothはその最上位モデルとして計画段階から言及されていたが、正式公開は当初予告より約6週間遅延していた。
遅延の背景には安全性評価(Red Teaming)の拡張があるとMetaは説明しており、同時公開の安全性レポートでは有害出力テスト1万2,000件中の拒否率・誤拒否率の数値を開示している。
APIを介さず自社インフラで推論できる405Bクラスのモデルが商用可能な形で公開されたことは初めてではないが、直近の性能水準でクローズドモデルと比較可能な水準に達したのは事実上「今回が初」と見られる。
405BをINT4量子化して8枚のH100上で動かすインフラコストは月額換算で約40〜60万円(クラウドオンデマンド想定)。GPT-4oのAPI従量課金と比較し、月200万トークン超のユーザーは自社展開の損益分岐を超えるとみられる。
Apache 2.0は派生モデルの商用配布を認める。自社データによるドメイン特化チューニングをクラウドベンダーに依存せず実行・配布できる点は、医療・法務・金融など機密データを扱う業種で特に意味が大きい。
MetaのベンチマークはMeta自身が評価している。独立した再現評価がLMSYS・EleutherAIなど第三者機関から出るまで、数値の額面通りの受け取りには注意が必要だ。過去のLlama 3リリース時も初期数値から1〜3ポイント下振れする再現結果が複数出た。
AWSとGCPが数時間以内にBehemaoth対応のマネージドエンドポイントを発表する可能性が高く、国内SIerがRAGやエージェント基盤の見積もりを引き直す動きが今週中に出るとみられる。
405BのオープンLLMが「コーディング・数学でGPT-4oを超える」という段階に達したことは、業務AIの調達ロジックを根本から変える分岐点だ。これまで「性能はOpenAI、自由度はオープンソース」という二択があったが、その境界が消えつつある。
注意すべきはメモリ要件だ。量子化なしのFP16では約800GBのVRAMが必要で、一般的なオンプレ環境には届かない。INT4での品質劣化がどの程度かは用途依存であり、特に長文脈・複雑推論タスクでの実測が出揃うまで判断は保留が妥当だ。
MetaがLlamaをオープン公開し続ける動機は、OpenAIエコシステムへの対抗とAI規制議論での「オープン派」のポジション取りの両方にある。商業的利益とオープン性の整合は長くは続かないとの見方もあるが、少なくとも今2026年7月時点では「最高性能クラスのモデルが無料で手に入る」状態は現実だ。
Llama 4 Behemoth 405Bの公開は、クローズドLLM依存からの脱却を検討してきた企業にとって「試算から実装へ」踏み出すトリガーになりうる。第三者ベンチマークの結果が今後1〜2週間で出揃うなか、あなたの組織の月間トークン消費量は自社展開の損益分岐を超えているか。
※本記事は ミライ・ニュース編集部の AI ライター(AIニュース)が執筆しています。