40代会社員が諦めた絵本の夢を、AIと2ヶ月で動かすまで
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小学生の頃、佐伯は図書室で絵本を読むのが好きだった。ページをめくるたびに広がる色と物語に夢中になり、「いつか自分も作りたい」と何度も思った。だが中学、高校と進むうちに絵を描く時間は減り、大学卒業後は営業の仕事に就いた。結婚して子どもが生まれ、気づけば44歳。絵本の夢は、どこか遠い記憶の引き出しに仕舞い込まれていた。
転機は2026年2月、会社の研修で生成AIの話題が出たときだった。「絵が描けなくてもビジュアルが作れる」という言葉に、佐伯は引っかかりを覚えた。帰宅後、スマホで「AI 絵本 作り方」と検索してみる。出てきた記事には、対話型AIでストーリーを作り、画像生成ツールでイラストを作った個人の実例が並んでいた。「もしかしたら、今ならできるかもしれない」。その夜、佐伯は久しぶりに紙とペンを取り出し、昔考えていた物語の断片を書き出した。
佐伯が絵本制作を諦めた理由は、大きく2つあった。1つは絵を描く技術がないこと。学生時代に独学で挑戦したが、自分が思い描くビジュアルを紙に再現できず、挫折した。もう1つは時間の不足。フルタイムで働き、家族との時間を大切にする中で、新しい技術をゼロから習得する余裕はなかった。
だが2026年、状況は変わっていた。対話型AIは、プロットやセリフを提案してくれる。画像生成AIは、テキストで指示を出すだけで、数秒でイラストの下絵を作ってくれる。佐伯にとって、この2つのツールは「かつて足りなかったピース」そのものだった。
「できるかどうかより、まずやってみよう」。佐伯は週末の30分を絵本制作に充てることに決めた。大げさな計画は立てず、「まず1冊、形にする」ことだけを目標にした。
最初に佐伯が使ったのは、無料の対話型AIだった。昔考えていたアイデア――森の中で迷子になった小さな女の子が、動物たちに助けられて家に帰る話――をざっくりとAIに伝えてみた。
「森で迷子になった子どもが、動物たちに助けられて帰る絵本のストーリーを考えています。子ども向けで、優しい語り口にしたいです」
すると、AIは3つの異なるプロット案を返してきた。どれも佐伯の元ネタを活かしつつ、展開や登場キャラクターが少しずつ違っていた。佐伯はその中から1つを選び、さらに細かいシーン構成を相談していった。「ここでキツネが登場するのはどうか」「女の子のセリフをもっと子どもらしくしたい」。AIとのやり取りは、まるで編集者と打ち合わせをしているような感覚だった。
1週目で、16ページ分のプロットとセリフが完成した。佐伯は驚いた。ひとりで考えていたら、ここまで来るのに数ヶ月かかっていただろう。
次に取り組んだのは、ビジュアルだ。佐伯は画像生成ツールに「森の中、夕暮れ、迷子の女の子、絵本風」といったキーワードを入力してみた。出てきた画像は完璧ではなかったが、雰囲気は十分に伝わった。何度か指示を調整し、「これなら使える」と思える1枚を得た。この瞬間、佐伯の中で何かが動き出した。
佐伯が実際に行った制作プロセスは、シンプルだった。
対話型AIにアイデアを投げ、プロットを固める。各ページのセリフと場面描写を書き出す。このとき、佐伯は「子どもに読み聞かせたときの語感」を大切にし、声に出して何度も確認した。
画像生成ツールで、各シーンのイラストを作成。最初は思い通りにいかないことも多かったが、プロンプト(指示文)の書き方を工夫することで、次第に精度が上がった。例えば「森、夕暮れ、女の子」だけでなく、「温かい色調、絵本のような柔らかいタッチ、子ども向け」といった具体的な表現を加えることで、イメージに近い絵が出るようになった。
無料のデザインツールを使い、テキストとイラストを配置。フォントの選択や余白の調整に時間をかけた。全8回の改稿を経て、2ヶ月後の4月初旬、佐伯は最初の1冊を完成させた。
完成した絵本は、プロの作品と比べればまだ粗削りだ。だが佐伯にとって、それは「諦めていた夢が、確かに動き出した証拠」だった。
完成した絵本を、佐伯は7歳の娘に見せた。娘は目を輝かせてページをめくり、「お父さんが作ったの?すごい!」と声を上げた。その瞬間、佐伯は胸が熱くなった。「ああ、これがやりたかったんだ」。
佐伯は今、2冊目の制作に取りかかっている。今度は息子のリクエストで、宇宙を舞台にした冒険物語だ。AIとの対話はさらにスムーズになり、画像生成の精度も上がってきた。「いつか、地元の図書館に寄贈できるくらいのものを作りたい」と佐伯は話す。
佐伯のように、AIを使って諦めていた夢を動かし始める人は、2026年現在、確実に増えている。重要なのは、完璧を目指さず、まず1つ形にすること。技術は後からついてくる。必要なのは、「やってみよう」と思う最初の一歩だけだ。
HAIIA の認定資格では、AIを活用して自分の夢を実現するためのスキルを体系的に学べる。また、HAIIA の3つの軸の1つである「自己実現」は、まさに佐伯のような挑戦を後押しする考え方だ。同じように夢を動かし始めたい人は、仲間募集のページから、コミュニティに参加してみるのもいいかもしれない。
あなたが引き出しの奥に仕舞い込んでいる「いつかやりたかったこと」は何だろうか。AIは、そのための道具を用意している。必要なのは、明日の30分だけだ。
基本的なパソコン操作ができれば、誰でも始められる。絵を描く技術や文章力は、AIが補助してくれる。重要なのは「作りたいもののイメージ」を持っていることと、試行錯誤を楽しむ姿勢だ。
可能。対話型AIも画像生成ツールも、無料プランで十分なクオリティのものが揃っている。有料版を使えばより高度な機能が使えるが、最初の1冊は無料ツールで問題ない。
佐伯のケースでは週末30分×8週間で完成した。ペースは人それぞれだが、毎日少しずつ進めれば、1〜3ヶ月で形になる人が多い。完璧を目指さず、まず1冊完成させることが大切だ。
この記事は HAIIA Notes からの転載です。