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PDCAは、AI時代に死ぬ。
そう言うと誤解されるので、先に訂正しておく。「PDCAという考え方」が死ぬんじゃない。"P"が雑に定義されているPDCA「運用」が死ぬ。
代わりに、PDCAを拡張した ISP-DCサイクル が、AI時代で爆発的に強くなる。

PDCAは「計画して、実行して、確認して、改善する」という4ステップに見える。
だが現場で起きているのはこうだ。
PDCAの"P"は、この3つの異なる作業が一つのブラックボックスに押し込まれたものだ。
「とりあえず計画を作って、とりあえずやる」が起きるのはそのせいだ。
ISP-DCは計画フェーズを次の3段階に分解する。
発散。質より量。実現可能性は一旦無視する。
初めて評価が入るフェーズ。「良いアイデア」だけを残す。
選ばれたアイデアを、実行可能な計画書まで磨き上げる。
そして、D(実行)・C(確認)に渡す。
図を見ると、計画フェーズの各ステップに D・R・C という小さなボールが描かれている。
これの正体は、NLP(神経言語プログラミング)の ディズニーストラテジー だ。
ウォルト・ディズニーは企画を考えるとき、三つの部屋を使い分けた。三つの視点を同一人物の中で意識的に切り替えるためだ。
Disneyは、同じアイデアをこの三つの視点で交互に見て、現実化させていった。わさわさ同じチーム付きではなく、 「今は三人のうちの誰として考えるか」を意識的に切り替えた。
この三視点サイクルが、ISP-DCでは計画フェーズの 各ステップの中 で回る。
つまり、ISP-DCは「何をやるか」を決めるまでに、三視点×3フェーズ = 最低9回の思考切り替えを強制するサイクルだ。
PDCAにはこの仕込みがない。だから「Dreamerのまま計画してDに進む」という事故が頻発する。
AIは「考える」を爆発させた。だが、その効き方は使う世界によって椟と鉄ほど違う。
Dreamer・Realist・Criticianを意識してAIを使うと、AIを三人の協業者として使い分けられる。
同じAIに、役割を指定して使い分ける。これだけで出るアウトプットの質が変わる。
Dreamer だけ使っていると、AIは職人芝しているだけのアイデアを量産する。 Realist だけ使っていると、アイデアの狂気が冷える。 Critician を使わないと、ゴミ計画をそのままDに流す。
ISP-DCは、この三視点をステップごとに明示的に回す。だからAIをフル活用しても、アウトプットが破綻しにくい。
PDCAは構造上、Pが1つのブラックボックスだ。だからAIを使おうとしても、「とりあえずDに進むためのP」を高速にやるだけになりやすい。
DreamerもRealistもCriticianも区別されていないまま、やることが雑だけAIで高速生産される。
アウトプットは量産されるが、質が低い。これが「AIを入れたのに何も変わらない」現場の正体だ。
ISP-DCは違う。IでDreamer、SでCritician、PでRealistがAIと並走する。しかも各ステップの中で D→R→C を回して覇気を取っていく。
その上で、人間が最終判断を下してDに渡す。
ISP-DCがもう一つ秀逸なのは、課題が出たら前のフェーズに戻る矢印がめちゃくちゃ明示されている点だ。
PDCAは「A(Action)で改善」と書かれているが、何をどこに戻すかが曖昧だ。
ISP-DCは戻り先までデザインされている。「改善会議しても何も変わらない」が止まるのはこのせいだ。
僕は2015年にウォーカーを立ち上げて以来、12年、複数の事業を立ち上げてきた。
AI前とAI後で「やり方」が決定的に変わったフェーズが、アイデア出しから計画書作成までだ。
AI前は一人でアイデアを出し、ホワイトボードに書き、調べ、選び、計画書を書いていた。週単位だ。
AI後は同じことが 数時間で終わる。しかもアイデアの質もレビューの深さも、以前より高い。
10日でSaaSを作って販売まで持っていったときの進め方は、ちょうどこれだった。
Pまで終わった瞬間、計画は揺れなくなっていた。揺れない計画は、揺れない実行を生む。
AIを "Dの高速化" だけに使っていたら、これは不可能だった。
AI時代は「やること」より「何をやるかをどの解像度で決められたか」で差がつく。
PDCAを回している限り、AIはゴミを量産する機械になりやすい。
ISP-DCで回せば、AIはDreamerにもRealistにもCriticianにもなり、思考を三重に拡張してくれる。
ウォルト・ディズニーが一人で三つの部屋を往復していた際、佐助していたのは「計画を書く鉄筆」だけだった。
今、その佐助者がAIになった。三つの視点を回すのは人間だけど、そのそれぞれに 疑似人格を三つもったAI が並走する。
これが、たぶん、ここ数十年で最も面白い仕事と思考のやり方だ。