
この記事でわかること
2026年7月1日、アメリカの有力経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が驚きのニュースを報じました。
SpaceX(スペース・エックス、宇宙開発企業)が、投資家に対して「スマートフォンのようなAI端末の試作機」を披露したというのです。
報道によると、このデバイスには以下のような特徴があるとされていました。
つまり、ChatGPTやGeminiのような会話型AIが、専用のハードウェアに組み込まれた端末です。
WSJの取材源は「プロジェクトは初期段階で、実際に製品化されるかは不明」とも伝えていました。
しかし、この報道が出た直後、思わぬ展開が待っていました。
報道から数時間後、イーロン・マスク氏は自身のSNS「X」(旧Twitter)に投稿しました。
その内容はたった2語。「Utterly false」(完全に誤り)。
詳しい説明は一切なく、ただ報道を全面的に否定したのです。
この否定は、株式市場に即座に影響を与えました。
報道直後、Qualcommの株価は2%上昇しました。
SpaceXの端末にチップを供給できれば、大きなビジネスチャンスになるからです。
しかし、マスク氏の否定後、Qualcomm株は一転して5%下落。
わずか数時間で7%もの値動きが発生したのです。
また、SpaceXの株価も7%下落しました。
投資家たちは、新しい収益源への期待と、その否定による失望で右往左往したのです。
実は、マスク氏がAI端末の噂を否定するのは、これが初めてではありません。
2026年2月にも同様の報道があり、そのときも「SpaceXは電話を開発していない」と明言していました。
それなのに、なぜ再び同じような報道が出たのでしょうか。
この噂が繰り返される背景には、AI専用端末への根強い期待があります。
しかし、現実は非常に厳しいのです。
2025年から2026年にかけて、AI端末市場では相次ぐ失敗が起きました。
Humane AI Pin(ヒューメイン・エーアイ・ピン)は、胸に付けるAI端末として注目を集めました。
2億3000万ドル(約320億円)を調達しましたが、販売台数は1万台未満。
2025年2月にHP(ヒューレット・パッカード)に1億1600万ドルで売却され、製品はすぐに販売終了となりました。
Rabbit R1(ラビット・アールワン)は、199ドルのポケットサイズAI端末です。
10万台を販売しましたが、大量の返品が発生。
現在は給与の支払いにも苦労していると報じられています。
これらの失敗に共通するのは、「AIは専用端末でなくても使える」という現実です。
多くの人は、すでに持っているスマートフォンでChatGPTやGeminiを使えます。
わざわざ新しい端末を買う理由が、見つからなかったのです。
つまり、AI端末は「技術的には面白いが、実際には誰も必要としていない」製品だったのです。
今回の噂が広がった背景には、SpaceXの大きな動きがありました。
2026年6月12日、SpaceXは史上最大規模のIPO(新規株式公開、企業が株式市場に上場すること)を実施しました。
その規模は、企業価値2兆ドル(約320兆円)、調達額750億ドル(約10兆円)。
過去最大だったサウジアラムコのIPO(290億ドル)を大きく上回りました。
さらに注目すべきは、2026年2月にSpaceXとxAIが合併していたことです。
xAIは、マスク氏が作ったAI企業で、会話型AI「Grok」を開発しています。
つまり、SpaceXは現在、ロケット打ち上げ、衛星通信(Starlink)、そしてAI技術を持つ巨大企業なのです。
この3つの技術を組み合わせれば、理論上は「どこでも使える衛星通信内蔵のAI端末」を作ることも可能です。
実際、2026年2月にロイター通信は「SpaceXがStarlink接続デバイスを開発中」と報じていました。
ただし、SpaceXもQualcommも、これらの報道にコメントを出していません。
マスク氏の否定は明確ですが、専門家の間では「完全には信じられない」という声もあります。
その理由は、マスク氏の過去の発言にあります。
マスク氏は過去に「エブリシングアプリ」構想を語っていました。
これは、中国のWeChat(ウィーチャット)のように、1つのアプリで決済、SNS、ニュース、配車など何でもできるサービスです。
もしSpaceXがAI端末を作るなら、この構想の一部になる可能性があります。
また、「試作機を見せた」という報道を「utterly false」と否定することは、技術的には正確かもしれません。
たとえば、「見せたのは試作機ではなく、コンセプトデザインだった」という可能性もあります。
一部のテック系メディアは「マスク氏の否定は、製品化の予定がないという意味であって、社内で研究していないという意味ではない」と分析しています。
つまり、「今は作らないが、将来は分からない」ということかもしれません。
今回の騒動は、AI端末への期待と現実のギャップを浮き彫りにしました。
マスク氏の否定が本当なら、AI端末市場の厳しさを示す一例です。
もし何らかの形で開発が進んでいるなら、それは既存のAI端末とは違う、全く新しいアプローチになるでしょう。
いずれにせよ、SpaceX、xAI、Starlinkという3つの技術を持つマスク氏の次の一手から、目が離せません。
この記事は AI Friends からのクロスポストです。
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