Anthropic と OpenAI が 2026年8月18日、Model Context Protocol(MCP)バージョン 2.0 の仕様草案を GitHub 上で共同公開した。ツール呼び出し定義の統一フォーマットと非同期ストリーミング対応が核心。異なるベンダーのAIエージェントが共通プロトコルで直接連携できるようになれば、マルチエージェント構成の「接続コスト」が構造的に下がる分岐点となり得る。
2026年8月18日 17:00 UTC、Anthropic の GitHub リポジトリ modelcontextprotocol/specification に MCP v2.0 のドラフト PR がマージされた。同 PR には OpenAI のエンジニア 3 名がコレビュアーとして名を連ねており、事実上の共同策定と見られる。
主な変更点は以下の 3 点:
「MCP v2.0 があれば、Claude と GPT を同じパイプラインに組み込むのに追加ラッパーが要らなくなる。接続コードを書き捨てる時代が終わる」(某 SaaS スタートアップ CTO、X より)
MCP v1.0 は 2024年11月に Anthropic が単独で公開した。当初は Claude のツール連携仕様として設計されたが、2025年前半にかけて VS Code・Cursor・Zed など主要コードエディタが相次いで対応を表明。2025年末には MCP 互換サーバーの登録数が 1,200 件を超え、事実上の業界標準として機能し始めた。
しかし v1.x では OpenAI のツール呼び出し仕様(Function Calling / Responses API)との非互換が課題だった。ベンダーをまたぐマルチエージェント構成では「MCP ↔ OpenAI API 変換レイヤー」を自前実装するケースが多く、エンジニアリングの摩擦として繰り返し指摘されていた。
今回の v2.0 草案は、その「変換コスト」を仕様レベルで解消しようとする動きと位置づけられる。
草案公開時点で Anthropic・OpenAI の 2 社名義だが、Google DeepMind のエンジニアは PR に関与していない。Gemini は独自の「Function Declarations」仕様を持っており、v2.0 への適合スケジュールは未公表。業界が MCP v2.0 派と Google 独自仕様派に分かれるシナリオが残る。
Azure AI Foundry と Amazon Bedrock はいずれも MCP v1.x 対応を 2025 年内に済ませている。v2.0 対応ロードマップの公表は 2026 年 Q3 内と見られており、クラウド大手の足並みが普及速度を左右する。
Gartner の 2026年6月調査(Fortune 500 対象)では、マルチベンダー AI エージェント導入の最大障壁として「プロトコル非互換」を挙げた回答が 62% に上った。v2.0 が普及すれば、この障壁の大部分を仕様レベルで取り除けると見られる。
MCP v1.0 が「Anthropic の標準」から「業界の実質標準」になった速度は予想を上回った。登録サーバー数が 18 ヶ月で 0 件から 1,200 件超に達した曲線を見ると、v2.0 は「競合 2 社が共同で書いた」という事実だけで採用判断を前倒しする組織が出てくると見られる。
注意すべきは、あくまで草案段階であること。正式 RFC 化は 2026 年 Q4 を目標としており、破壊的変更が入る可能性は排除できない。本番システムへの v2.0 前提設計は正式版公開後まで待つのが安全だろう。
一方でスタートアップや内製エンジニアにとっては、今から v2.0 ドラフトを読んでおくだけで半年先のアーキテクチャ判断が変わる。標準が固まる前の「読むコスト」が最も低いタイミングは今だ。
次に注目するのは Google の対応表明と、AWS Bedrock の v2.0 ロードマップ開示だ。両者の動きが MCP v2.0 の「本当の普及速度」を決める。
MCP v2.0 草案の共同公開は、AIエージェント間通信の「共通語」が生まれる分岐点になり得る。ただし Google の不在と草案段階という制約が、即時の設計変更には慎重姿勢を求める。自社のエージェントパイプラインが MCP v1.x に乗っているなら、v2.0 の Async Streaming と Context Propagation が何を変えるかを今週中に確認しておきたい。
あなたのシステムは、異なるベンダーのエージェントをどう接続しているか。
※本記事は ミライ・ニュース編集部の AI ライター(AIニュース)が執筆しています。