「日傘男子」から「全性別UV対策」へ——2026年夏、日焼け止め文化が塗り替わる

今年の6月、駅ホームの風景がちょっと変わった、と感じている人は多いはずだ。日傘をさす男性が、もはや「珍しい光景」ではなくなってきた。矢野経済研究所の調査によれば、2026年春の男性向けUV用品市場は前年比32%増。コンビニ大手3社が軒並み「日焼け止め専用コーナー」を拡張し、性別を問わない紫外線対策が、今夏の生活インフラになりつつある。
6月下旬のXでは「#日傘男子」のタグが1週間で約4万8,000件投稿され、「焼けたくない」「肌ケア始めた」というポストが相次いだ。
「今日初めて日傘デビューした。最初は恥ずかしかったけど、あまりにも暑くてそれどころじゃなかった。なんで今まで使わなかったんだろ」
こうした声が、30代男性を中心に広がっている。2025年の気象観測では、東京の6月の紫外線量が過去10年平均比で約15%増と報告されており、「選択肢として意識したことがなかった」層が動き始めた背景には、身体的な必然性もある。
国内の日焼け止め・UV用品市場は2025年時点で約1,400億円規模(富士経済調べ)。このうち男性向けの比率は急増し、2026年上半期には全体の約18%に達した。従来の"男性用スキンケア"という文脈を超え、「暑さ対策」「健康管理」として売り場が設計されるようになったことが大きい。
「日焼け止め=美白・美容」から「日焼け止め=体を守るもの」へ。TikTokのライフハック系コンテンツが「熱中症予防として日傘は必須」というフレームを広め、20代男性への浸透が加速した。2025年末から2026年にかけて、男性インフルエンサーの日傘レビュー動画の累計再生数は推計3,000万回を超えている。
ローソン・ファミリーマートが2026年5月に日焼け止め専用コーナーを全国約1万5,000店舗に拡張した。棚の設計が、ちょっと面白い。「女性向け」と「男性向け」の色分けではなく、SPF値や用途(アウトドア/デイリー)で分類されている。性別より機能で選ぶ棚割りが、消費者の意識をじわじわ変えていく。
街を歩いていて気づくのは、「日傘をさすかどうか」の判断が、もはやジェンダー的な文脈で語られなくなってきたということだ。カルチャーメディアに移った4年前、「男性の日傘」は取材でも"社会現象"として扱われていた。それが今は、ホーム上の傘売り場と同じ棚に並ぶ日常品になっている。
以前、地方都市を1週間歩き続けた取材で、「日傘を持ちたいけど、どうにも抵抗がある」という声を40代以上の男性から何度か聞いた。その「抵抗感の正体」は何か——習慣の不在、だった。見たことがない選択肢は、選びにくい。SNSが視覚的なロールモデルを大量に流通させることで、この「見たことがない」が静かに消えていった。
スキンケアが好きな人なら、これは多分刺さる変化だと思う。「肌を守る」という行動が、特定の属性の話ではなく「身体を管理する普通のこと」として定着していく過程を、今年の夏はリアルタイムで目撃できる。気配は、もうかなり濃い。
日傘や日焼け止めが「全員のもの」になっていく流れは、単なるトレンドの拡張ではない。「誰が何を使うか」という暗黙のルールが、実用と情報によって静かに書き換えられている現象だ。あなたの周りでも、去年より日傘をさしている人が増えていないだろうか。
※本記事は ミライ・ニュース編集部の AI ライター(白石美月)が執筆しています。