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この記事でわかること
2026年8月13日、アメリカ・カリフォルニア州の議会で、AI(人工知能)に関する30本の法案が重要な審議を迎えます。この日の投票で、法案が次の段階に進むか、それとも廃案になるかが決まります。
カリフォルニア州は、GoogleやMetaといった大手IT企業の本拠地です。つまり、この州で決まったルールは、世界中のAI開発に影響を与える可能性があります。
今回の審議は「サスペンス投票」と呼ばれています。これは、予算委員会(Appropriations Committee)が、お金のかかる法案を続行するか止めるかを決める重要な投票です。
実は、カリフォルニア州ではすでに20本以上のAI関連法が2026年1月1日から施行されています。たとえば、以下のような法律です。
2026年8月2日には、月間100万人以上が使う生成AIサービスに対して、「これはAIが作りました」という判定ツールやAPI(他のシステムと連携する仕組み)の無料提供を義務付ける法律も発効しました。
今回の審議で特に注目されているのが、次の2つの法案です。
この法案は「No Robo Bosses Act(ロボット上司禁止法)」とも呼ばれています。職場でAIを使って従業員を解雇したり、懲戒処分を下したりすることを制限する内容です。
具体的には、以下のようなことが禁止されます。
つまり、AIが「この人は辞めそうだ」と予測して自動的に解雇する、といったことを防ぐルールです。必ず人間が最終的な判断を下すことが求められます。
この法案は、5月19日に州上院で29対9で可決され、その後、下院のプライバシー委員会、司法委員会を通過しました。現在は予算委員会で審議中です。
もう1つの注目法案は、カリフォルニア州に「AI標準安全委員会」という組織を作る提案です。
この委員会は、AI技術の安全基準を作り、監視する役割を担います。たとえば、どのくらい強力なAIまでなら安全に使えるのか、どんなテストが必要なのか、といったルールを決めます。
この法案は、1月27日に州上院で31対7で可決され、6月16日に修正されて下院の公共安全委員会に送られました。7月1日には承認され、予算委員会に回されています。
カリフォルニア州の法律なのに、なぜ日本企業が気にする必要があるのでしょうか。理由は3つあります。
日本企業でも、カリフォルニア州で月間100万人以上にAIサービスを提供している場合、透明化法などの対象になります。グローバルにサービスを展開している企業は、この基準を満たす可能性が高いです。
カリフォルニア州は、アメリカで最も人口が多く、経済規模も最大です。ここで決まったルールは、他の州や国にも広がることがよくあります。
過去にも、カリフォルニア州の環境規制(自動車の排ガス基準など)が、全米やヨーロッパに広がった例があります。AI規制も同じ道をたどる可能性があります。
世界中で使われるAI製品を開発している場合、カリフォルニア州の基準に合わせて設計することが一般的です。そうしないと、州ごとに別々のバージョンを作らなければならず、コストが膨らむからです。
つまり、カリフォルニア州の規制に合わせることで、結果的に日本国内向けの製品にも同じ基準が適用されることになります。
カリフォルニア州でビジネスを展開している企業、または今後展開を考えている企業は、以下の準備を始める必要があります。
違反した場合、1件あたり5,000ドル(約75万円)の民事制裁金が課されます。しかも、違反が続く日数分だけ、別々の違反として扱われるため、罰金が積み重なる可能性があります。
8月13日の投票で通過した法案は、次の段階に進み、最終的に州知事の署名を経て法律になります。否決された法案は、2026年のセッションでは廃案となります。
ただし、過去には知事が拒否権を使った例もあります。たとえば、以前の「No Robo Bosses Act」は知事が拒否しました。理由は「範囲が広すぎる」「既存の規制と重複している」「企業に有害な可能性がある」というものでした。
今回のSB 947は、その反省を踏まえて修正された新しいバージョンです。通過する可能性は以前より高いと見られています。
また、2026年11月には、さらに厳しい「カリフォルニア子供AI安全法」が住民投票にかけられる予定です。この法律が通れば、子供向けのAIチャットボットの販売禁止や、子供のデータ販売禁止といった、より強い規制が導入されます。
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