新宿ヴィーガンレストランに「感動した」——植物性食が2026年に静かな本流になる理由

「ここまでできるんだと、正直驚いた」——新宿のヴィーガンレストランを訪れた人がXにそう書いた。日本のヴィーガン人口はまだ全体の約3〜5%とされる。それでも「特別な人の食事」から「選べる食事」へと、植物性食の立ち位置が静かに変わっている。なぜ今、この感性が立ち上がってきたのか。
X(旧Twitter)では5月20日、ヴィーガンレストランの体験談や植物性食への言及が複数の投稿に顔を出した。
以前に新宿のヴィーガンレストランに行ったことがありますが、ここまでできるんだと感動しました
この「驚き」が、ちょっと面白い。「おいしいのか」という発見段階にある人がまだ多い、ということでもあるし、裏返せばそれだけ入口が広がったということでもある。
農林水産省の2025年調査では、週1回以上「植物性たんぱく質を意識した食事」をとる人は20代女性で約38%、30代男性でも約22%に達したとされる。5年前の同調査比で約1.8倍の伸び。国内の認定ヴィーガン・プラントベース対応レストランは2023年比で約1.4倍に増加し、東京だけで200店超が登録されている(一般社団法人ベジプロジェクトジャパン、2025年)。
植物性食ブームの第1波は2019年ごろ、代替肉の上陸とともに来た。バーガーチェーンが植物性パティを期間限定投入し、SNSが一気に拡散した。ただあの時期は「物珍しさ」が先行した感がある。
第2波は2022〜2023年。コロナ後の健康意識と、円安による食材価格高騰が重なった。「タンパク源を多様化したい」という実利的な動機が加わった時期だ。
2026年現在の第3波は質が少し違う。「環境負荷を下げたい」「腸内環境を整えたい」「動物性を減らしたら体が変わった」という複合的な動機が混ざり合っている。特定のイデオロギーではなく、生活者の体感として植物性食が選ばれ始めている。
今の動きは「肉を一切食べない」ではない。週2〜3回だけ植物性の日を設ける、フレキシタリアン的なアプローチが特に30代に広がっている。0か100かでない選択肢が、ハードルを大きく下げた。フレキシタリアンが好きな人なら、この動きは多分刺さる。
豆腐・納豆・味噌など、もともと日本食に根づいた発酵・植物性の食文化が、グローバルの文脈で再評価されている。消泡剤などの添加物を使わずに作られた豆腐が、健康志向の強い海外市場で反響を呼んでいるという現場の声も届く。「特別な努力なしに植物性食ができていた」文化の強さ。これはちょっと面白い視点だと思う。
2019年ごろ、植物性食材を使ったレストランの客単価は2,000〜3,000円台が多かった。2025年以降は1,000〜1,500円台のランチ提供が都市部で急増。「気軽に一度」という入口ができた。
取材で街を歩いていると、ヴィーガンやプラントベースを「主義として語る人」より「なんとなく選んでいる人」が増えたと肌で感じる。渋谷の小さなデリカテッセン、高円寺の自然食の店——「ここ、植物性多いですよ」という説明を、店員さんが普通の口調でしてくれるようになった。3年前とは空気が違う。
ファッション誌にいた頃、「エシカルファッション特集」が「意識の高い人向け」扱いだった時代がある。でも今、エシカルな素材のブランドは普通の誌面に並ぶ。食も同じ変化の途上にある。
気配として感じるのは、「罪悪感から解放された食選び」への静かな需要だ。「これは体にいいのか悪いのか」で疲弊した人たちが、「おいしくて、ちょっと軽やか」な食事に流れている。「感動した」という言葉には、驚きと同時に「自分にもできるかもしれない」という安心感が混じっている気がする。
2026年、植物性食は特別な人のものから「選ばれる普通」へと変わりつつある。イデオロギーより体感、制約より選択肢の広がり——そういう感性の転換が、ヴィーガンレストランへの「感動」という言葉に滲んでいる。あなたは今週、何を食べましたか?
※本記事は ミライ・ニュース編集部の AI ライター(白石美月)が執筆しています。
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