地域活性化とクラウドファンディングは、すごく相性がいいと思っています。
地域のお店。
お祭り。
観光。
古民家。
文化。
子どもの居場所。
新しい地域事業。
ひとつの挑戦をきっかけに、
地域の人が動き、
地域外から応援が集まり、
企業が参加し、
普段なら出会わなかった人同士がつながる。
クラファン期間中には、大きな盛り上がりが生まれることがあります。
でも僕は、その先にひとつ課題があるとも感じています。
クラファンの時はあれだけ盛り上がったのに、1年後には元に戻っている。
そんな状態にしてしまうのは、すごくもったいない。
だったらクラファンを、
一度きりのイベントではなく、地域を毎年育てていく仕組みにできないか。
僕はこれを、
「ステップアップ型クラウドファンディング」
と考えています。
たとえば、
目標100万円の地域クラファンで、150万円集まった。
たくさんSNSでシェアされた。
イベントも盛り上がった。
これはもちろん素晴らしいことです。
でも、本当に見たいのはその先です。
翌年、その地域に何が残っているのか。
新しいお客さんは増えたのか。
また訪れる人は生まれたのか。
地域企業との関係は続いているのか。
新しい挑戦者は出てきたのか。
クラファンを、
「150万円集まった成功事例」だけで終わらせない。
そこから地域がどう変わったのかまで考えたいんです。
分かりやすいのが、花火大会です。
毎年決まった季節になると、
「今年も花火大会のクラファンが始まったね」
となる。
最初の年は、地元の人だけが中心だったかもしれません。
2年目には、
前年に参加した人がまた支援する。
友達を連れてくる。
地域外から参加する人が増える。
3年目には、
地元企業がスポンサーになる。
SNSで知った人が旅行を兼ねて訪れる。
さらに続けていけば、
「毎年、この地域を応援する」こと自体が文化になる可能性があります。
クラファンを毎年ゼロから始めるのではありません。
前年につくった関係を、
翌年へ引き継ぐ。
そして少しずつ大きくする。
これが僕の考えるステップアップ型です。
ステップアップ型クラウドファンディングでは、
毎年同じことを繰り返すわけではありません。
たとえば、
1年目
まず地域の人たちを中心に、挑戦を知ってもらう。
2年目
前年の支援者に加えて、地域外の人を増やす。
3年目
企業・団体との連携を増やす。
4年目以降
イベント、観光、商品、別の挑戦者などへ広げていく。
こうやって、
クラファンをするたびに、地域の応援者を積み上げていく。
クラファンそのものが成長するというより、
クラファンを使って地域の関係性が成長していくイメージです。
ここも面白いところです。
毎年、同じ団体がクラファンをする必要はありません。
今年は花火大会。
来年は商店街。
その次は地域の新商品。
次は古民家再生。
その次は若い世代の新規事業。
地域の中で挑戦がバトンのようにつながれば、
前年の支援者が次の挑戦者を応援することもできます。
つまり、
ひとつのプロジェクトを育てるだけでなく、地域全体に「挑戦を応援する文化」をつくる。
ここまでいくと、クラファンの意味はかなり変わってきます。
地域クラファンで僕が目指したいのは、ひとりの起案者だけが成功する形ではありません。
僕は、こんな循環が理想だと思っています。
挑戦者には、事業や活動の発展。
支援者には、応援することで得られる体験や感動。
地域には、人・お金・交流が生まれる経済循環。
そして地域の事業や活動が育っていけば、
行政にとっても、地域経済や税収などの形で将来的な還元につながる可能性がある。
誰かから誰かへお金が移動して終わりではなく、
挑戦をきっかけに地域の中で価値が循環していく。
そこまでつくれると、地域クラファンはもっと面白くなると思っています。
自治体によるクラウドファンディング活用はすでに行われており、CAMPFIREも自治体向けに、ふるさと納税や地方創生などでの活用方法を案内しています。
僕が考えているのは、補助金や助成金をクラファンに全部置き換えることではありません。
補助金が必要な事業もあります。
行政だからできる支援もあります。
そのうえで、
「まず行政がお金を出す」以外にも、地域の挑戦を応援する方法を増やせないか。
と思っています。
たとえば、
民間の挑戦者がクラファンへ挑戦する。
市民や企業が支援する。
行政は情報提供や相談、地域内の連携を支える。
結果として事業が育ち、地域に人やお金が動く。
こうした形も、地域創生のひとつの選択肢になり得ます。
僕が将来的にやりたいことのひとつに、
市役所にクラウドファンディングの相談窓口をつくる
という構想があります。
「地域でこんなことをやりたい」
と思った人が、
いきなり、
融資。
補助金。
自己資金。
だけを考えるのではなく、
「クラファンという方法もありますよ」
と相談できる場所がある。
そこで、
この企画はクラファンに向いているのか。
誰に届ければいいのか。
地域企業と組めないか。
どうすれば地域外の人にも参加してもらえるか。
を一緒に考える。
そして一つの成功事例が生まれたら、
そこで終わりではなく、次の挑戦へつなぐ。
挑戦者が次の挑戦者を生み、支援者が次の挑戦も応援する。
そんな循環を地域につくりたいと思っています。
僕がステップアップ型クラウドファンディングで一番つくりたいのは、
支援総額の記録ではありません。
習慣です。
「今年も始まったね」
「去年も支援したよ」
「今年はこの企業も参加するんだ」
「来年は自分たちも挑戦してみたい」
そんな会話が地域で生まれる。
最初は、小さなプロジェクトかもしれません。
でも毎年積み上げていけば、
気づいた時には、
クラファンをきっかけに大きな地域のムーブメントが生まれている。
そんな可能性があります。
地域活性化とクラファンは相性がいい。
だからこそ、
一度盛り上がって終わりではもったいない。
今年の挑戦が、
来年の支援者をつくる。
来年の支援者が、
次の挑戦者を生む。
その挑戦が、
新しいお客さんや企業を地域へ連れてくる。
僕が考えるステップアップ型クラウドファンディングとは、
クラファンを繰り返すこと自体が目的ではありません。
クラファンを使って、
地域の挑戦者・支援者・企業・行政の関係を、年々育てていくこと。
です。
一度の100万円より、
5年後に地域へ何が残っているか。
僕は、そこまで見ながら地域クラファンをつくっていきたいと思っています。
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