クラウドファンディングで商品を販売するなら、何を伝えるべきでしょうか。
商品の特徴。
価格。
品質や使いやすさ。
もちろん、どれも大切です。
でも僕は、クラファンではもうひとつ考えたいことがあります。
「その商品を手に入れること以外に、支援者が参加したくなる理由はあるか」
今回は、僕がサポートした少し変わった商品プロジェクトを紹介します。
2026年にCAMPFIREで実施した、ライスウイスキー「小一」の海底熟成プロジェクトです。
沖縄の久米仙酒造とともにつくられた、お米を原料とするウイスキー「小一」。
そのウイスキーを北海道・釧路の海底約14メートルに沈め、約1年間熟成させるという挑戦でした。
沖縄で生まれたウイスキーが、北海道の海で育つ。
この組み合わせだけでも、ちょっと気になりませんか?
僕がこの企画で魅力を感じたのは、単に珍しい商品ということではありません。
完成するまでの過程そのものが、ひとつの物語になっていること。
そこに、クラファンらしい面白さがありました。
通常の商品販売では、完成した商品を見て購入を判断することが多いと思います。
でも、今回の海底熟成は違います。
海の底で約1年間過ごしたウイスキーが、どのように変化するのか。
実際に引き揚げてみなければ、分からないこともあります。
その不確実性を隠すのではなく、プロジェクトページでもリスクを説明していました。
そして支援者には、海底熟成したボトルのほか、熟成前後の飲み比べセットや解禁パーティーへの参加権などが用意されました。
つまり、届けようとしていたのは商品だけではありません。
「1年後、どんな変化が生まれるのかを一緒に楽しむ体験」だったのです。
これまでさまざまな商品クラファンをサポートしてきました。
その中で僕が意識しているのは、起案者が伝えたい商品の魅力と、支援者が参加したい理由を分けて考えることです。
起案者にとっては、製法や品質へのこだわりが大切かもしれません。
でも、初めてその商品を知った人が、同じ部分に興味を持つとは限りません。
今回の小一なら、
「海底熟成って、どんな味になるんだろう?」
「1年後に飲み比べてみたい」
「こんな挑戦なら参加してみたい」
という入口が考えられます。
商品を説明するだけでなく、支援者が自分の楽しみとして想像できるようにする。
僕は、ここが重要だと思っています。
このプロジェクトは、2026年4月23日に公開されました。
第一目標は100万円。
そして5月31日に募集を終了。
最終結果は、
支援総額:1,361,000円
支援者数:54人
目標達成率136%という結果でした。
僕は企画設計、リターン設計、ページ制作、集客設計、公開後のサポートなどに関わりました。
もちろん、海底熟成という企画の面白さだけで支援が集まったとは言えません。
起案者のこれまでの活動や、関係者の協力、支援者とのつながりも大切な要素です。
ただ、商品を販売するだけではない、参加型のクラファンの可能性を感じた案件でした。
商品クラファンを考えるとき、
「何を売るか」
から企画を始めることが多いと思います。
でも僕なら、もうひとつ質問します。
「その商品を通して、支援者はどんな体験ができるのか?」
新しいものが生まれる瞬間に立ち会う。
完成までの過程を一緒に楽しむ。
誰かに話したくなる挑戦に参加する。
そんな価値があれば、商品そのものの魅力をさらに広げられるかもしれません。
もちろん、体験を加えれば必ず売れるわけではありません。
でも、完成品の価格や性能だけで比較されない理由をつくることはできます。
クラファンは、商品を売る場所であると同時に、未来の体験を共有できる場所でもある。
僕はそう考えています。
クラファン現場事例⑥|「なくしたくない」が応援になる。神戸の茶屋に286人の支援が集まった理由
クラファン現場判断⑦|支援者候補は何人必要?僕が公開前に「円」ではなく「人」を数える理由
実際のプロジェクト:
沖縄で生まれ、北海道の海で育つ。ライスウイスキー「小一」海底熟成プロジェクト|CAMPFIRE
クラウドファンディングについて相談したい方は、僕のプロフィールページからご確認ください。