クラウドファンディングでは、資金が必要な理由を説明することが大切です。
でも、僕はそれだけでは足りないと思っています。
「建物が古くなったので修繕したい」
「活動を続けるために資金が必要」
どちらも大切な理由です。
ただ、その説明だけで、知らない人まで応援したいと思ってくれるでしょうか。
今回紹介するのは、「なくしたくない場所」を未来につなぐために挑戦したクラファンです。
2025年、僕がサポートしたのは、神戸の布引の滝にある「おんたき茶屋」を守るプロジェクトです。
布引の滝は、神戸を代表する自然の名所。
その場所で長年、人々を迎えてきたおんたき茶屋には、100年以上の歴史があります。
しかし、建物の老朽化が進み、今後もこの場所を守っていくためには新たな取り組みが必要になっていました。
そこで立ち上がったのが、若い世代を中心とした「布引の滝を紡ぐ会 Mizutama」です。
目指したのは、単に古い茶屋を修繕することではありません。
この場所の価値を次の世代へつなぐこと。
それが挑戦の大きな目的でした。
この案件で僕が大切だと感じたのは、すでに多くの人がこの場所に愛着を持っていたことです。
昔から茶屋を知っている人。
布引の滝が好きな人。
この場所の文化を未来へ残したい人。
それぞれの中に、応援する理由がありました。
クラファンでは、起案者が「助けてほしい」と伝えることがあります。
もちろん、その想いも大切です。
でも、支援する側が、
「僕もこの場所を残したい」
「次の世代にも知ってほしい」
と思えたら、支援は単なる資金提供ではなくなります。
起案者の課題が、支援者にとっても大切なことになる。
僕は、ここに応援が生まれるきっかけがあると考えています。
このプロジェクトには、感謝の手紙やオリジナルTシャツだけでなく、茶屋での朝食体験や貸切利用などのリターンも用意されました。
つまり、支援して終わりではありません。
実際にその場所へ足を運び、体験する入口があったのです。
さらに、アートや音楽のイベント、地域の歴史を伝える活動など、将来に向けた構想も紹介されていました。
「古い場所を守る」という話だけではなく、
「これから、この場所で何が生まれるのか」
という楽しみもある。
僕は、地域のクラファンでは、この視点がとても重要だと思っています。
今回の第一目標は200万円でした。
2025年7月7日に公開し、9月21日に目標を達成。
最終的には、
支援総額:2,525,500円
支援者数:286人
という結果で終了しました。
僕は企画や目標金額、リターン、ページ制作、集客設計、公開後のサポートに関わりました。
もちろん、この成果は僕だけのものではありません。
長年この場所を守ってきた方々と、新しい挑戦を始めた若い仲間たち。
そして、応援してくれた286人がいたからこその結果です。
この案件を振り返ると、僕がクラファンで大切にしていることを改めて感じます。
それは、起案者の「やりたい」を、第三者が「自分も関わりたい」と思える形にすること。
資金が必要な事情を説明するだけではなく、なぜその場所が大切なのか、支援することでどんな未来につながるのかを伝える。
地域に長く愛されてきた場所には、お金では測れない価値があります。
その価値を見つめ直し、みんなで未来につないでいく。
クラウドファンディングには、そんな使い方もあると思っています。
「残したい」という想いを、「一緒に残そう」という行動に変える。
神戸のおんたき茶屋は、その可能性を感じさせてくれたプロジェクトでした。
クラファン現場事例⑤|公開まで約1年。フォロワー1万人を育ててから挑戦した理由
クラファン現場判断②|この企画はクラファンをやらない方がいい?僕が相談で止める5つのケース
実際のプロジェクト:
【神戸の宝物】布引の滝の「おんたき茶屋」を守りたい|CAMPFIRE
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