「クラウドファンディングのリターンって、いくらくらいに設定すればいいですか?」
これも、リターンを考える時によく聞かれる質問です。
2026年9月時点でCAMPFIREでは、リターンは500円以上から設定できます。
また、CAMPFIREの平均支援額は約1万円。公式でも、1万円前後にメインとなる魅力的なリターンを置くことを推奨しています。さらに、支援件数では1万円以下の支援が7割以上を占めています。
では、
「1万円のリターンを中心につくればいい」
のかというと、僕はそう単純には考えていません。
大切なのは、
誰が、その金額を、何のために支援するのか。
です。
現在のCAMPFIREでは、リターン価格を500円以上から設定できます。
また、設定する価格には、送料と消費税を含める必要があります。
つまり、
商品代が5,000円。
送料が1,000円。
だからリターン価格を5,000円にする。
ではありません。
送料。
原価。
梱包費。
CAMPFIREの手数料。
必要であればその他の経費。
まで考えて、
その金額で支援されても、本当にプロジェクトを実行できるか
を見る必要があります。
クラファンでは、
「少しでも安い方が支援されやすいですよね?」
と考える人もいます。
でも僕は、
安ければ支援されるとは限らない
と思っています。
たとえば、
3,000円だけど欲しくないもの。
10,000円だけどすごく欲しいもの。
なら、後者を選ぶ人もいます。
またクラファンでは、
商品を安く買うためだけではなく、
この挑戦を応援したい。
この人に頑張ってほしい。
このプロジェクトに参加したい。
という理由で支援する人もいます。
だから、
価格より先に「支援する理由」をつくる。
そのうえで適切な価格を考えます。
僕は、すべてのリターンを同じ価格帯に集めるより、
価格ごとに役割をつくる
ことを考えます。
たとえば、
3,000円前後なら、
「まず参加してみたい」
「商品はいらないけど応援したい」
という人。
5,000〜10,000円前後なら、
商品。
サービス。
イベント参加。
など、比較的中心になりやすいリターン。
30,000円前後なら、
セット商品。
特別な体験。
限定プラン。
など。
さらに、
50,000円。
100,000円。
それ以上。
となれば、
特別な体験や法人スポンサーなどを考える。
もちろん、
この価格でつくれば正解という意味ではありません。
プロジェクトによって全く変わります。
大切なのは、
安い・普通・高いという価格差ではなく、それぞれ誰のための価格なのか。
です。
リターンが10個あっても、
全部同じくらい売れてほしい。
とは考えません。
僕なら、
一番多く選んでもらいたいリターン
を決めます。
これがメインリターンです。
新商品なら、
一番おすすめしたい商品セット。
飲食店なら、
一番使いやすい食事券。
出版なら、書籍+特典。
イベントなら、
標準的な参加チケット。
などです。
CAMPFIREでは平均支援額が約1万円のため、公式も1万円前後に魅力的なメインリターンを置くことを勧めています。
ただし、
商品単価が2万円なら、無理に1万円にする必要はありません。
5万円の商品なら、5万円が中心でもいい。
だから、
CAMPFIREの平均に自分の商品を合わせるのではなく、自分の商品に合った中心価格をつくる。
そのうえで、他の価格帯を考えます。
3,000円や5,000円などの比較的参加しやすいリターンには、
クラファンへの入口
という役割があります。
商品までは必要ない。
遠方だからサービスを利用できない。
でも応援したい。
そんな人が参加できる選択肢です。
たとえば、
お礼メール。
お礼動画。
活動報告。
名前掲載。
など。
ただし、
「安いリターンが必要だから」
という理由だけで用意するのではありません。
その価格でも、
支援者が気持ちよく参加できる意味
をつくることが大切です。
反対に、
「高額リターンも必要ですよね?」
と聞かれることがあります。
目標金額によっては、高額リターンが重要になることはあります。
でも、
「10万円を置きたい」
から考えるのではなく、
「10万円を支援してくれるのは誰だろう?」
から考えます。
既存のお客様。
取引先。
経営者仲間。
熱心なファン。
企業。
など。
その人たちが、
10万円を出す理由は何なのか。
商品なのか。
体験なのか。
スポンサーとしての参加なのか。
PRなのか。
一緒に何かをつくる権利なのか。
ここを考えます。
僕は、
高額リターンは価格からではなく、人からつくる
ことが大切だと思っています。
たとえば、
個人が10万円を支援することと、
企業が10万円をスポンサーとして支援することでは、
判断基準が違います。
個人なら、
欲しい。
参加したい。
応援したい。
という気持ちが中心になるかもしれません。
企業なら、
社会貢献。
地域とのつながり。
認知。
顧客との接点。
プロジェクトへの参画。
なども考えられます。
だから、
個人向けリターンをそのまま高額にしたものを、
「法人向け」
にするとは限りません。
誰が払うのかが変われば、価値の設計も変わります。
新商品のクラファンでは、
一般販売価格との関係も大切です。
たとえば、
一般販売予定価格10,000円の商品を、
クラファン限定で8,000円。
早割で7,500円。
という設計もできます。
でも、
僕は、
割引だけをクラファンの価値にしない方がいい
と思っています。
クラファン終了後、
通常価格に戻った瞬間に売れなくなってしまえば、
事業として続きません。
先行して使える。
限定カラー。
特別セット。
開発ストーリーに参加できる。
支援者限定の体験がある。
など、
クラファンだから参加する意味
も考えます。
法人・企業のクラファン活用については、「法人・企業がクラファンを活用する方法|資金調達だけではない7つの使い方」でも詳しくまとめています。
クラファンを盛り上げたいから、
通常10,000円の商品を5,000円で出す。
というような大幅な値引きを考える場合もあります。
でも、
本当にその価格で利益が残るのか。
送料を払えるのか。
製造数が増えても対応できるのか。
一般販売後の価格との差が大きすぎないか。
既存のお客さんが見た時にどう感じるか。
まで確認します。
クラファンでたくさん売れたのに、
売れれば売れるほど赤字になる。
では意味がありません。
僕は、
「支援される価格」
だけではなく、
「支援された後も実行できる価格」
を考えます。
リターン価格を考える時、
支援された金額がそのまま手元に残るわけではありません。
CAMPFIREの手数料。
リターンの原価。
送料。
梱包費。
その他必要経費。
がかかります。
だから、
10,000円のリターンが100件入ったから、
100万円自由に使える。
とはなりません。
価格を設定する前に、
1件支援された時に実際いくら残るのか
を計算しておきます。
これは目標金額にも直結します。
目標金額については、「クラファンの目標金額の決め方|必要な金額だけで決めてはいけない理由」で詳しくまとめています。
前の記事で紹介したように、CAMPFIREの平均支援額は約1万円です。
たとえば、
目標100万円。
平均支援額1万円。
なら、単純計算で100人です。
でも、
リターン構成を考えて平均2万円になれば50人。
平均5,000円なら200人。
必要になります。
つまり、
リターン価格は、必要な支援者数にも影響する
ということです。
だから僕は、
価格をリターン単体では見ません。
目標金額。
平均支援額。
必要な人数。
支援してくれそうな人。
全部をつなげて考えます。
平均支援額については、「CAMPFIREの平均支援額はいくら?|目標金額から必要な支援者数を考える方法」も参考にしてください。
実務的な部分でもう一つ重要なのが、
リターン価格には送料・消費税を含めて設定する
ことです。
これはCAMPFIREの現行ルールでも案内されています。
特に商品を発送する場合、
北海道。
沖縄。
離島。
大きな商品。
冷蔵・冷凍。
などによって送料が大きく変わることがあります。
「思ったより送料がかかった」
とならないように、
リターン設計の段階で確認しておきます。
ここも注意です。
CAMPFIREでは公開後も新しいリターンを追加できます。
ただし、すでに支援した人が不利にならないようにする必要があります。
たとえば、
すでに5,000円で提供しているものと同じ内容を、
後から4,000円で追加する。
同じ5,000円なのに、後から特典を増やす。
といった追加はできません。
つまり、
「最初は高く出して、売れなかったら途中で値下げしよう」
という考え方はできません。
公開前に価格をしっかり考えておくことが大切です。
リターン価格を考えていると、
3,000円にするか。
5,000円にするか。
10,000円にするか。
数字だけで迷うことがあります。
そんな時、僕なら、
具体的な支援者を思い浮かべます。
この商品なら、
既存のお客さんの○○さんは10,000円でも欲しいと思うだろうか。
この体験なら、
この人たちは30,000円でも参加したいと思うだろうか。
このスポンサー内容なら、
この企業が100,000円を出す理由になるだろうか。
と考える。
価格だけ見ていると分かりません。
「誰が買うのか」までセットにすると、価格は考えやすくなります。
「リターンはいくらに設定すればいいですか?」
という質問への答えとして、
CAMPFIREの平均支援額は約1万円。
支援件数では1万円以下が7割以上。
公式も1万円前後に魅力的なメインリターンを置くことを推奨しています。
だから、
1万円前後はひとつの参考になります。
ただ僕は、
平均に合わせることより、
誰が支援するのか。
何に価値を感じるのか。
どの価格なら参加しやすいのか。
その価格で自分たちは実行できるのか。
を考えることの方が重要だと思っています。
3,000円。
10,000円。
30,000円。
100,000円。
どの価格にも、
その金額である理由
をつくる。
それがリターン価格の設計です。
安ければ支援される。
高額リターンがあれば大きく集まる。
平均支援額が1万円だから1万円にする。
そんな単純なものではありません。
誰が支援するのか。
何を受け取るのか。
なぜその人はその金額を出すのか。
そして、自分たちはその金額で本当に提供できるのか。
ここまで考える。
だから僕は、
リターン価格は「いくらで売りたいか」ではなく、「その金額で支援する理由があるか」で決める。
と考えています。
価格から人を見るのではなく、
人から価格をつくる。
その順番で考えてみてください。
クラファンのリターンはいくつ用意する?|数を増やす前に考えたいこと
CAMPFIREの平均支援額はいくら?|目標金額から必要な支援者数を考える方法
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