「クラウドファンディングのリターンって、いくつくらい用意すればいいですか?」
これも、クラファンの準備をしているとよく出てくる質問です。
2026年9月時点でCAMPFIREでは、
リターンは10〜20種類程度あると、さまざまな支援者に対応しやすい
と案内しています。
また、CAMPFIREで200万円以上を集めたプロジェクトでは、リターン数が平均約12個だったというデータもあります。
さらに、2019年1月から2026年6月末までのCAMPFIRE統計では、公開時にリターンを10個以上用意したプロジェクトは、目標到達率が高い傾向にあります。
では、
「とりあえず10個以上つくればいいのか?」
というと、僕はそうは考えていません。
大切なのは、
数を増やすことではなく、支援する人に合った参加方法を用意すること。
です。
CAMPFIREの最新データを見ると、リターンを10個以上設定したプロジェクトは、目標金額への到達率が高い傾向にあります。
理由として考えられるのは、
支援者によって、
使える金額。
欲しいもの。
応援する理由。
プロジェクトとの関係。
が違うからです。
3,000円なら参加したい人。
商品が欲しい人。
体験に参加したい人。
少し高くても特別なものが欲しい人。
企業として応援したい人。
それぞれ違います。
選択肢がひとつしかなければ、
「応援したいけど、自分に合うリターンがない」
という人が出てしまいます。
だから、
ある程度の選択肢を用意する
ことには意味があります。
ここは大事です。
200万円以上を集めたプロジェクトの平均が約12個だからといって、
12個つくれば200万円集まる
わけではありません。
これはあくまで、成功したプロジェクトに見られるひとつの傾向です。
たとえば、
ほとんど内容が同じリターンを12個並べる。
誰が選ぶのか分からないリターンを12個つくる。
価格だけ少しずつ変えて12個並べる。
これでは、
選択肢が増えるどころか、
支援する人を迷わせてしまう
こともあります。
だから僕は、
「何個つくるか?」
より先に、
「どんな人が支援してくれそうか?」
を考えます。
僕はリターンを、
単なる「支援のお返し」だとは考えていません。
支援者が、このプロジェクトに参加する方法
だと思っています。
たとえば、
商品を購入して参加する。
サービスを利用して参加する。
イベントへ行って参加する。
スポンサーとして参加する。
名前を掲載して参加する。
純粋に応援だけする。
同じプロジェクトでも、
参加の仕方はいくつもあります。
だからリターンを考える時は、
「何を渡せるか?」
だけではなく、
「このプロジェクトには、どんな参加方法があるだろう?」
から考えます。
たとえば飲食店をつくるクラファンだったとします。
支援してくれそうな人には、
近所に住んでいる人。
既存のお客さん。
遠方から応援してくれる人。
商品が欲しい人。
お店へ行きたい人。
経営者仲間。
法人。
などがいるかもしれません。
すると、
応援だけできるリターン。
店舗で使える食事券。
商品セット。
オープニングイベントへの参加。
特別体験。
企業スポンサー。
など、自然とリターンの種類が見えてきます。
つまり、
支援者の種類を考えた結果として、リターン数が決まる
という順番です。
最初から、
「12個必要だから、あと4個考えよう」
ではありません。
リターン数だけでなく、
価格帯の幅
も大切です。
CAMPFIREでは、支援件数で見ると1万円以下の支援が7割以上を占めています。
一方で、CAMPFIREの平均支援額は約1万円で、公式も1万円前後に中心となる魅力的なリターンを置くことを勧めています。
だから、
少額で参加できるもの。
中心になるもの。
少し高額なもの。
さらに高額なもの。
と、価格にも役割を持たせます。
たとえば、
3,000円。
5,000円。
10,000円。
30,000円。
100,000円。
のように幅をつくる。
もちろん、この金額にすればいいという意味ではありません。
プロジェクトによって変わります。
大切なのは、
一つの価格帯だけで支援者を限定しないこと。
です。
価格帯だけ分ければいいわけでもありません。
たとえば、
3,000円のお礼メール。
5,000円のお礼メール。
10,000円のお礼メール。
30,000円のお礼メール。
と並んでいても、
違いが金額だけでは選びにくい。
価格だけでなく、
支援する理由そのものを変える
ことも考えます。
商品が欲しい。
体験したい。
名前を残したい。
企業として応援したい。
この人を純粋に応援したい。
それぞれの気持ちに合うリターンをつくります。
リターン数を増やすからといって、
全部違う商品をつくる必要もありません。
CAMPFIREも、
商品の種類だけでなく、
個数・回数・セット内容を変えることで選択肢を増やす
方法を紹介しています。
たとえば商品なら、
1個。
3個セット。
5個セット。
ギフトセット。
定期便。
のようにできます。
イベントなら、
1名参加。
ペア参加。
グループ参加。
特別席。
交流会付き。
なども考えられます。
つまり、
リターン数を増やす=新しいものをたくさん開発する
ではありません。
既にある価値を、
違う参加方法に組み替えることもできます。
目標金額が大きいプロジェクトでは、
高額リターンも重要になります。
でも、
「10万円のリターンもあった方がいいらしい」
という理由だけでつくるのはおすすめしません。
誰が10万円を出すのか。
その人は何を求めているのか。
企業ならどんなメリットがあるのか。
既存のお客さんなら、どんな体験に価値を感じるのか。
ここまで考えます。
高額リターンは、
金額から考えるのではなく、その金額を出す人から考える。
これが大切です。
選択肢は多い方がいい。
だから、
30個、40個、50個。
と増やせばいいかというと、そうでもありません。
増やしすぎると、
どれを選べばいいか分からない。
似たようなリターンが並ぶ。
主力商品が分からない。
ページが長くなりすぎる。
管理が複雑になる。
発送や履行の負担が増える。
といった問題が出ます。
リターンは、
多ければ多いほど良いのではなく、必要な選択肢が揃っていること
の方が重要です。
リターンが10個以上あったとしても、
僕は、
どれを一番選んでもらいたいのか
を考えておくことが大切だと思っています。
いわゆる、
メインリターンです。
たとえば、
新商品なら一番買ってほしいセット。
店舗なら中心になる食事券。
出版なら書籍+特典セット。
イベントなら標準的な参加プラン。
などです。
CAMPFIREも平均支援額が約1万円であることから、1万円前後に中心となる魅力的なリターンを設定することを推奨しています。もちろん、実際の中心価格帯はプロジェクトによって変わります。
リターンが増えても、
何を一番おすすめしたいのか分からない状態にはしない。
ここは意識したいところです。
リターン設計は、
目標金額ともつながっています。
たとえば100万円を集めたいとして、
5,000円のリターンしかなければ、
単純計算で200件必要です。
平均支援額が1万円なら100件。
2万円なら50件。
必要な支援者数が大きく変わります。
だから、
リターンを何個つくるかだけでなく、
そのリターン構成で、目標金額までどう積み上げるのか
まで考えます。
平均支援額については、「CAMPFIREの平均支援額はいくら?|目標金額から必要な支援者数を考える方法」で詳しくまとめています。
目標金額そのものについては、「クラファンの目標金額の決め方|必要な金額だけで決めてはいけない理由」も参考にしてください。
リターンを考えていると、
「あと何個必要かな?」
となりがちです。
そんな時、僕なら一度、
「このリターンは誰が選ぶんだろう?」
と考えます。
答えが出ないなら、
そのリターンは必要ないかもしれません。
逆に、
「この人たちが参加できるものがない」
と気づいたなら、
新しいリターンを追加する意味があります。
つまり、
リターン数を決める基準は、
数字ではなく支援者。
です。
クラファンは、最初に設定したリターンだけで最後まで走らなければいけないわけではありません。
公開後の状況を見ながら、
新しいリターンを追加することもできます。
※CAMPFIREでは追加できますが、他のプラットフォームで実施の際は追加できるか確認ください。
たとえば、
人気リターンが早く完売した。
支援者から「こういうものが欲しい」という声があった。
中盤に新しい話題をつくりたい。
企業からスポンサーリターンについて相談された。
といった場合です。
ただし、
最初から準備不足のまま公開して、後から考えればいい
という意味ではありません。
公開時点で、支援者が選べる基本的なラインナップは整えておく。
そのうえで、反応を見ながら必要なものを追加する。
という考え方です。
「リターンはいくつくらい必要ですか?」
という質問に数字で答えるなら、
CAMPFIREのデータでは、
10個以上で目標到達率が高い傾向があり、200万円以上を集めたプロジェクトでは平均約12個。
また、公式では10〜20種類程度をひとつの目安として紹介しています。
なので、
10個前後から考える
のはひとつの目安になると思います。
ただ僕が大切にしたいのは、
10個あるか。
12個あるか。
20個あるか。
ではありません。
必要な人に、必要な参加方法が用意されているか。
です。
少額で応援したい人。
商品が欲しい人。
体験したい人。
たくさん応援したい人。
企業として関わりたい人。
それぞれが、
「自分ならこれ」
と思える選択肢をつくる。
その結果、
8個になるプロジェクトもあれば、
15個になるプロジェクトもあると思います。
リターンを考える時、
「何個つくらなきゃいけない?」
から始めると、
数を埋める作業になってしまいます。
でも本来は、
このプロジェクトを誰が応援してくれるのか。
その人はどんな形なら参加しやすいのか。
いくらなら参加できるのか。
何に価値を感じるのか。
そこから考えるものです。
だから僕は、
リターン設計とは、商品を並べることではなく、支援者の参加方法を設計すること。
だと思っています。
10個という数字は参考にする。
でも、
数字を満たすためにリターンをつくらない。
「この選択肢は、誰のためにあるのか?」
を一つずつ考えてみてください。
CAMPFIREの平均支援額はいくら?|目標金額から必要な支援者数を考える方法
クラファンの目標金額の決め方|必要な金額だけで決めてはいけない理由
クラウドファンディングについて相談したい方は、僕のプロフィールページからご確認ください。