クラウドファンディングの相談を受けていると、よく聞かれる質問があります。
「サポート費用を、クラファンで集まった支援金から払うことはできますか?」
気持ちは分かります。
クラファンは資金調達のイメージが強いので、
「まずクラファンを実施して、集まったお金から必要な費用を払いたい」
と考えるのは自然だと思います。
でも僕は現在、クラファンのサポート費用を、
クラファン終了後の支援金から支払ってもらう形にはしていません。
基本的に、サポート開始前に費用をいただいています。
今回は、
なぜ僕がこの形にしているのか。
実際の相談現場でどう考えているのか。
を書いてみます。
クラファンサポートというと、
公開後に集客を手伝う仕事、
と思われることがあります。
でも実際には、かなりの仕事が公開前にあります。
企画を整理する。
目標金額を考える。
支援者候補を整理する。
リターンを設計する。
ページをつくる。
公開スケジュールを決める。
集客方法を考える。
企業への声かけを準備する。
公開初日の動きを設計する。
僕が特に大切にしているのも、この公開前です。
つまり、
サポートというサービス自体は、クラファンで支援金が集まる前から提供しています。
だから僕は、
「お金が集まったら、その中からサポート費用を払う」
というより、
クラファンを実施できる状態をつくるための準備費用
として考えています。
もうひとつ、大切な理由があります。
クラウドファンディングは、
僕がサポートしたからといって、必ず目標金額を達成できるものではありません。
どれだけ準備しても、
商品。
企画。
価格。
支援者候補。
本人の行動。
公開後の状況。
さまざまな要素によって結果は変わります。
僕ができるのは、
成功確率を高めるために、
設計し、
準備し、
一緒に改善していくこと。
です。
「○万円集まったら報酬を払う」
という形にすると、
サポートそのものではなく、
支援総額に対する報酬のように見えやすくなります。
でも僕が提供しているのは、
結果そのものではなく、
結果をつくるための設計と伴走
です。
ここは分けて考えています。
たとえばクラファンで300万円集まったとしても、
300万円がそのまま自由に使えるわけではありません。
プラットフォームの手数料。
リターン原価。
送料。
製造費。
イベント費。
事業を実行するための費用。
などがあります。
だから目標金額を決める時にも、
僕は、
「いくら集めたいか」ではなく、「最終的にいくら必要なのか」
から逆算します。
最初から、
「サポート費用も全部、あとで集まった支援金から払えばいい」
という設計にすると、
実際にプロジェクトへ使える金額が想定より少なくなることもあります。
支援金には、プロジェクトを実行する役割があります。
だから、公開前の必要経費も含めて資金計画を分けて考える方がいいと思っています。
「今、サポート費用を払う資金がありません」
と言われることもあります。
その時、
僕はすぐに、
「ではクラファンはできません」
とは言いません。
まず、
なぜ資金がないのか。
プロジェクト自体にはどれくらい必要なのか。
商品製造などの先行費用はあるのか。
自己資金はどこまで出せるのか。
融資や補助制度など、他の方法は使えないのか。
を見ます。
なぜなら、
クラファンにはサポート費用以外にも、公開前に必要なお金が出てくることがあるからです。
ページ用の写真。
試作品。
デザイン。
製造準備。
広告やPR。
必要な許認可や準備。
もし、
「本当に一円も先に出せないので、全部クラファンで何とかしたい」
という状態なら、
クラファンを始める前に、資金計画自体をもう一度考えた方がいい場合があります。
クラファンは資金調達の方法です。
だから、
お金が足りない時に使う。
これは間違いではありません。
でも僕は、
準備するためのお金も、実行する体制も何もない状態を、クラファンが全部解決してくれる
とは考えていません。
クラファンにも準備が必要です。
そして、
支援者からお金を預かる以上、
支援が集まった後には約束を実行する責任があります。
だから僕が見るのは、
「今お金があるか」だけではなく、
支援を受け取れる状態になっているか。
です。
これはサポートする僕側の話でもあります。
もし、
「集まった支援金から報酬をもらう」
という契約だけにすると、
支援総額が僕自身の報酬に直結します。
すると極端に言えば、
支援総額を増やすことが、サポートする側の最優先になりかねません。
でも企業クラファンなどでは、
金額だけが成果ではありません。
最初のお客さんをつくる。
市場の反応を見る。
企業との関係をつくる。
一般販売につなげる。
場合によっては、
大きく集めることより、別の成果を優先することもあります。
僕は、
そのプロジェクトにとって何が一番いいかを判断する立場でいたい。
だからサポート費用と支援総額は、できるだけ分けて考えています。
僕はサポート費用を、
クラファンをやるためだけのお金、
とは考えていません。
その中で一緒につくるのは、
企画。
商品設計。
顧客。
価格。
ページ。
集客。
事業の見せ方。
企業との関係。
クラファン後の展開。
です。
特に企業の場合は、
クラファンでつくったものが、その後の事業にも残ります。
だから、
クラファン開催費ではなく、挑戦を形にするための準備と設計への投資
に近いと思っています。
整理すると、僕がサポート費用を終了後払いにしていない理由は、
サポート業務は公開前から始まっている。
支援総額を保証するサービスではない。
支援金には、プロジェクトを実行する役割がある。
公開前から一定の準備資金が必要になる。
支援総額ではなく、プロジェクトにとって最善の判断をしたい。
この5つです。
もちろん、世の中には成果報酬型のサポートもあります。
どちらが絶対に正しいという話ではありません。
僕自身が、
150件以上のクラファン支援をする中で、
今の形が一番、
挑戦者と同じ方向を向いて仕事ができる
と考えている、ということです。
僕が一番伝えたいのはここです。
クラファンは、
支援金が入ってから始めるものではありません。
公開前から、
人と話し、
企画をつくり、
リターンを設計し、
支援者候補を増やし、
準備する。
その積み重ねがあって、
公開後に支援という形になって返ってきます。
だから、
クラファンでお金を集める前にも、挑戦するための準備は必要。
僕はその準備から一緒に伴走しています。
クラファン現場判断②|この企画はクラファンをやらない方がいい?僕が相談で止める5つのケース
クラファン現場判断①|ページが完成したら公開していい?僕が公開を延期する判断基準
補助金・助成金とクラファンは併用できる?|資金調達を組み合わせる考え方
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