厚生年金「68歳支給」論が浮上――少子高齢化と現役世代の負担どう調整
リード まず事実から確認しておく。2026年9月、厚生労働省の社会保障審議会・年金部会が、厚生年金の支給開始年齢を現行の65歳から段階的に68歳へ引き上げる案を正式に議題に乗せた。2025年の財政検証から約1年、少子化による財政圧力が限界に近づく中、政府が「先送り」してきた制度の根本的な見直しがいよいよ俎上に載ったかたちだ。 何が起きているのか 今回の議論の直接の発端は、厚生労働省が9月上旬に公表...
リード まず事実から確認しておく。2026年9月、厚生労働省の社会保障審議会・年金部会が、厚生年金の支給開始年齢を現行の65歳から段階的に68歳へ引き上げる案を正式に議題に乗せた。2025年の財政検証から約1年、少子化による財政圧力が限界に近づく中、政府が「先送り」してきた制度の根本的な見直しがいよいよ俎上に載ったかたちだ。 何が起きているのか 今回の議論の直接の発端は、厚生労働省が9月上旬に公表...
リード まず事実から確認しておく。2026年に入り、SNSを介した「闇バイト」勧誘による強盗・詐欺事件が再び増加している。警察庁の速報値では1〜8月の検挙件数が前年同期比約23%増。逮捕・書類送検された被疑者の68%が20〜24歳という数字は、これが単なる「犯罪者の問題」ではなく、若者を「使い捨て」にする社会構造の問題に近いことを示唆している。 何が起きているのか 9月18日夜、Xには被害者家族と...
リード 2025年4月に本格施行された育成就労制度は、旧来の技能実習制度が抱えた「人権侵害の温床」という批判に応える形で設計された。施行から約1年半が経過した今、失踪件数は前年同期比で約18%減少したとされるが、農業・建設・介護の業種間でその数字には3倍以上の開きがある。まず事実から確認しておく。 何が起きているのか 出入国在留管理庁が2026年8月に公表した速報値によると、育成就労生の失踪件数は...
リード まず事実から確認しておく。2025年4月に施行されたヤングケアラー支援法は、施行から1年4か月が経過した。文部科学省と厚生労働省が今年度実施したフォローアップ調査では、中学2年生の約5.7%が「日常的に家族の介護・世話をしている」と推計され、全国で少なくとも約25万人に上るとみられる。制度という「器」は整いつつあるが、中身が追いついているかは別の問いだ。 何が起きているのか ヤングケアラー...
リード まず事実から確認しておく。2026年上半期(1〜6月)、全国のフードバンク団体への食料支援申請件数は約28万7,000件と、前年同期比34%増を記録し、統計開始以来の最多となった。注目すべきは申請者のうち約42%が何らかの形で就労中であるという点だ。「働いているのに食べられない」——その矛盾を示す数字の意味を、構造から読み解いていく。 何が起きているのか 農林水産省と内閣府が2026年8月...
リード 政府は9月10日、「孤独・孤立対策白書2026」を公表した。30〜50代男性の社会的孤立率が前年比2.3ポイント上昇の31.4%と過去最高を記録する一方、支援サービスの利用率は対象者全体の14.3%にとどまった。孤独・孤立対策推進法が施行されて3年が経過するなか、制度と当事者の間にある壁の厚さが改めて問われている。 何が起きているのか まず事実から確認しておく。内閣官房孤独・孤立対策担当室...
リード まず事実から確認しておく。文部科学省が2026年8月末に公表した実態調査によれば、全国の公立小中高校で正規・非正規を合わせた教員の欠員数が2万3000人を超えた。前年比で約15%増。この数字は単なる人事上の問題ではなく、義務教育の供給体制が抱える構造的な危機を示している。 何が起きているのか 文科省による教員欠員調査は今回が4回目となる。2023年時点では全国で約1万4000人だった欠員が...
リード まず事実から確認しておく。2024年6月に成立した育成就労法は、30年続いた技能実習制度を廃止し、外国人労働者の「人材育成」と「就労」を正面から認めた政策転換だった。移行から約2年が経った2026年夏、現場では制度への期待と空白が同居している。 何が起きているのか 2026年9月現在、在留外国人数は約365万人(法務省推計)。育成就労への移行対象者は約15万人に上るとみられる。制度改正の目...
リード まず事実から確認しておく。厚生労働省が2021年に実施した初の全国実態調査では、中学2年生の約17人に1人がヤングケアラーに該当するとされた。以来、国は「支援強化」を繰り返し打ち出してきたが、2026年9月現在、専従の相談窓口を設けた市区町村は全体の約3割にとどまる。残る7割の自治体では、家族の介護を一手に担う子どもたちが依然として「見えない存在」のままだ。 何が起きているのか ヤングケア...
リード まず事実から確認しておく。政治資金規正法の改正案が成立したのは2025年6月のことだ。収支報告書のデジタル公開義務化、パーティー券購入者の公開基準引き下げ(5万円超→1万円超)、外部監査の強化——改革の看板はそろった。だが法改正から約1年が経過した今、「政治とカネ」の問題は本当に構造から変わったのか。数字と現場を照らし合わせると、答えは単純ではない。 何が起きているのか 総務省が2026年...
リード まず事実から確認しておく。2024年4月、民間組織「人口戦略会議」が全国744の市区町村を「消滅可能性自治体」と指定した。以降、国は地方創生関連予算を拡充し、デジタル田園都市構想も打ち出した。だが、指定から2年が経過した今も、人口動態が好転した自治体は限られる。問題の根は政策の速度より深いところにある。 何が起きているのか 総務省が2026年8月末に公表した「住民基本台帳人口移動報告」によ...
リード 政府は2026年9月2日、在留資格「特定技能」の対象業種をさらに拡大する方向で検討に入ったと明らかにした。現在18業種に及ぶ制度の見直しが俎上に載るたびに繰り返される「外国人労働力の活用か、社会的コストの分散か」という論争が、再び動き出している。 何が起きているのか 出入国在留管理庁の公表データによれば、2026年6月末時点での特定技能在留者数は約28万人に達し、制度発足時(2019年)の...
リード 2026年4月、「子ども・子育て支援金」制度が本格徴収を始めて5カ月が経つ。社会保険料に上乗せされる形で月平均500円程度、最大で約1,400円が現役世代の手取りから減る仕組みだ。9月の給与明細が出回るなか、制度への賛否が改めてX上で噴出している。 何が起きているのか まず事実から確認しておく。子ども・子育て支援金は、2024年成立の「こども未来戦略法」改正を受け、2026年度から医療保険...
リード まず事実から確認しておく。厚生労働省は2026年8月28日、2026年度地域別最低賃金の改定額を官報告示した。全国加重平均は1,213円——前年度比73円増、引き上げ率6.4%は過去最大に並ぶ水準だ。影響を受ける労働者は推計280万人とされている。その数字の背後にある構造を読んでいきたい。 何が起きているのか 中央最低賃金審議会は8月上旬、「全国一律73円」の目安を答申。47都道府県の地方...
リード まず事実から確認しておく。選択的夫婦別姓の導入を求める声は、内閣府の世論調査でも継続的に6割を超えている。それでも法律は30年動いていない。1996年に法制審議会が民法改正を答申してから今年でちょうど30年になる。2026年秋の臨時国会(10月召集予定)で再び審議入りの見通しが報じられる中、論争の構造を改めて整理したい。 何が起きているのか 2026年8月末、与野党の複数議員が選択的夫婦別...
リード まず事実から確認しておく。2025年度の文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によれば、不登校の小中学生は約35万2,000人に達した。2019年度の約18万人から6年間でほぼ倍増した計算だ。政府は「誰一人取り残さない学び」を掲げるが、その数字の重さはスローガンを軽く超えている。 何が起きているのか 不登校の定義は「年間30日以上欠席し、病気や経済的理由を...
リード まず事実から確認しておく。法務省出入国在留管理庁が2026年6月末に公表した統計によれば、日本に在留する外国人は383万2,000人と過去最多を更新した。前年同期比4.2%増。コロナ禍で一時落ち込んだ後、回復と拡大が続いている。問題はこの数字の「中身」であり、受け入れ側の地域社会が実態に追いついているかどうかだ。 何が起きているのか 在留外国人383万2,000人の内訳は、永住者が約100...
リード まず事実から確認しておく。2025年、いわゆる「団塊世代」が全員75歳以上の後期高齢者となった。厚生労働省の推計では、同年時点で介護人材は約32万人不足するとされていたが、2026年に入り現場の声はさらに厳しい。全国の特別養護老人ホームの約3割が「入居者を受け入れられない」状態に陥りつつあるという調査も出ている。これは単なる人手不足ではなく、社会保障制度の設計そのものへの問いかけだ。 何が...
リード まず事実から確認しておく。文部科学省が2026年4月に公表した「公立学校教員の採用・勤務状況調査」によると、教員の不足数(定数内未配置数)は全国で推計3万1,200人にのぼる。夏休み明けの9月を目前に控えた今、担任が決まらないまま2学期を迎えようとしている学校が全国各地で報告されている。これは採用担当者の失策でも、特定の自治体の怠慢でもない。構造として教育行政に埋め込まれた問題だ。 何が起...
リード まず事実から確認しておく。家族の介護や世話を日常的に担う子どもや若者——「ヤングケアラー」——への法的支援が本格化して3年目を迎えた2026年、当事者への支援が届いていないケースが依然として多数存在することが、複数の自治体調査で明らかになっている。制度の外縁は確かに広がった。しかし、支援の実効性という問題は別次元で残っている。 何が起きているのか 文部科学省と厚生労働省が2023年に共同実...
リード まず事実から確認しておく。2024年4月に施行された孤独・孤立対策推進法は、日本が初めて「孤独・孤立」を政策課題として法制化した立法だ。施行から2年以上が経過した現在も、現場では「必要な人ほど窓口にたどり着けない」という声が絶えない。法律は整備された。だが、制度は機能しているのか——構造的な問いが残る。 何が起きているのか 内閣府が2026年6月に公表した中間報告によれば、孤独・孤立対策の...
リード まず事実から確認しておく。2026年6月時点での外国人労働者数は約225万人(厚生労働省推計)。2024年6月に施行された「育成就労法」は、約30年にわたって批判を受け続けた技能実習制度を廃止し、新たな在留資格「育成就労」を設けた。制度移行から丸2年——しかし現場では「変わった部分」と「変わっていない部分」が混在したままだ。 何が起きているのか X(旧Twitter)上では、育成就労制度を...
リード まず事実から確認しておく。2026年8月、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会が、現行原則1割の利用者負担を一律2割へ引き上げる案を正式議題として取り上げた。介護保険制度は2000年のスタートから26年が経ち、給付費は当初の約3.6兆円から現在の約14.8兆円へと膨張し続けている。2040年には約25兆円に達するとの試算もある。この数字の重みが、今回の議論の出発点だ。 何が起きているのか...
リード まず事実から確認しておく。厚生労働省が2026年8月に公表した人口動態統計(速報)によれば、2025年1〜6月の出生数は前年同期比約4.2%減の約33万5千人にとどまった。このペースが続けば年間出生数は67万〜68万人台となり、統計開始以来初めて70万人の大台を割り込む見通しだ。2015年に100万人を超えていた出生数が、10年あまりで3割以上失われた計算になる。 何が起きているのか 20...
リード まず事実から確認しておく。文部科学省が今月公表した最新の問題行動等調査によると、2025年度の不登校児童生徒数は小中学校合計で34万2,000人に達し、過去最多を更新した。3年連続で30万人を超え、水準は10年前の約3倍だ。この数字が問いかけているのは個別の家庭事情ではなく、日本の学校教育制度が抱える構造的な亀裂である。 何が起きているのか 文科省調査(2026年8月公表)では、不登校の主...
リード まず事実から確認しておく。東京圏(1都3県)の平均募集賃料が2021年比で約18%上昇したと、不動産情報会社のレポートが今月明らかにした。これは同期間の消費者物価指数(CPI)上昇率・約11%を大きく上回る数字だ。家賃の問題は単なる市場の動きではなく、生活保護世帯の住居費、若年層の郊外移住、中小企業の採用難など、社会の複数の断面と交差する構造問題として浮上している。 何が起きているのか 不...
リード まず事実から確認しておく。2024年6月に施行された「育成就労制度」が本格稼働して約1年が過ぎた。技能実習制度が抱えていた「人権侵害の温床」との批判を受け、転職の自由化と日本語教育の義務化を柱とする新制度は、現場でどこまで機能しているか。政府統計と現場の声を照らし合わせると、改革の「継続課題」が浮かび上がる。 何が起きているのか 厚生労働省が2026年7月に公表した統計によると、育成就労制...
リード まず事実から確認しておく。厚生労働省の「医師偏在指数」では、全国の約140か所が「医師少数区域」に分類され、都市部との格差は縮まるどころか緩やかに広がり続けている。少子化と地方の人口減少が連鎖し、医療の空白地帯が静かに拡大している。これは制度の失敗ではなく、構造そのものの問題に近い。 何が起きているのか 厚生労働省の2025年度調査によると、人口10万人あたりの医師数は東京都が約340人で...
リード まず事実から確認しておく。厚生労働省が今月公表した試算によれば、2040年度の社会保障給付費は190兆円超に達する見込みだ。2024年度実績(約140兆円)と比べると、16年間で約50兆円の膨張になる。この数字を機に「現役世代の負担はどこまで上がるのか」という問いがSNS上でも広がり、制度の持続可能性への関心が改めて高まっている。 何が起きているのか 厚労省が8月に公表した「2040年を見...
リード まず事実から確認しておく。2023年の住宅・土地統計調査で全国の空き家数は899万戸と過去最多を更新し、2026年現在は推計で1,000万戸に迫る水準にある。住宅総数の約14%が「使われない家」になった計算だ。2023年12月に施行された改正空家法から約3年が経ったいま、制度の整備と現場の実態の間には依然として大きな溝が残っている。 何が起きているのか 国土交通省が2026年8月に公表した...