「消滅可能性」指定から2年——地方自治体の財政危機と人口減少の現在地
リード まず事実から確認しておく。2024年4月、民間組織「人口戦略会議」が全国744の市区町村を「消滅可能性自治体」と指定した。以降、国は地方創生関連予算を拡充し、デジタル田園都市構想も打ち出した。だが、指定から2年が経過した今も、人口動態が好転した自治体は限られる。問題の根は政策の速度より深いところにある。 何が起きているのか 総務省が2026年8月末に公表した「住民基本台帳人口移動報告」によ...
リード まず事実から確認しておく。2024年4月、民間組織「人口戦略会議」が全国744の市区町村を「消滅可能性自治体」と指定した。以降、国は地方創生関連予算を拡充し、デジタル田園都市構想も打ち出した。だが、指定から2年が経過した今も、人口動態が好転した自治体は限られる。問題の根は政策の速度より深いところにある。 何が起きているのか 総務省が2026年8月末に公表した「住民基本台帳人口移動報告」によ...
リード まず事実から確認しておく。2025年度の文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によれば、不登校の小中学生は約35万2,000人に達した。2019年度の約18万人から6年間でほぼ倍増した計算だ。政府は「誰一人取り残さない学び」を掲げるが、その数字の重さはスローガンを軽く超えている。 何が起きているのか 不登校の定義は「年間30日以上欠席し、病気や経済的理由を...
リード まず事実から確認しておく。法務省出入国在留管理庁が2026年6月末に公表した統計によれば、日本に在留する外国人は383万2,000人と過去最多を更新した。前年同期比4.2%増。コロナ禍で一時落ち込んだ後、回復と拡大が続いている。問題はこの数字の「中身」であり、受け入れ側の地域社会が実態に追いついているかどうかだ。 何が起きているのか 在留外国人383万2,000人の内訳は、永住者が約100...
リード まず事実から確認しておく。文部科学省が2026年4月に公表した「公立学校教員の採用・勤務状況調査」によると、教員の不足数(定数内未配置数)は全国で推計3万1,200人にのぼる。夏休み明けの9月を目前に控えた今、担任が決まらないまま2学期を迎えようとしている学校が全国各地で報告されている。これは採用担当者の失策でも、特定の自治体の怠慢でもない。構造として教育行政に埋め込まれた問題だ。 何が起...
リード まず事実から確認しておく。厚生労働省が2026年8月に公表した人口動態統計(速報)によれば、2025年1〜6月の出生数は前年同期比約4.2%減の約33万5千人にとどまった。このペースが続けば年間出生数は67万〜68万人台となり、統計開始以来初めて70万人の大台を割り込む見通しだ。2015年に100万人を超えていた出生数が、10年あまりで3割以上失われた計算になる。 何が起きているのか 20...
リード まず事実から確認しておく。東京圏(1都3県)の平均募集賃料が2021年比で約18%上昇したと、不動産情報会社のレポートが今月明らかにした。これは同期間の消費者物価指数(CPI)上昇率・約11%を大きく上回る数字だ。家賃の問題は単なる市場の動きではなく、生活保護世帯の住居費、若年層の郊外移住、中小企業の採用難など、社会の複数の断面と交差する構造問題として浮上している。 何が起きているのか 不...
リード まず事実から確認しておく。2023年の住宅・土地統計調査で全国の空き家数は899万戸と過去最多を更新し、2026年現在は推計で1,000万戸に迫る水準にある。住宅総数の約14%が「使われない家」になった計算だ。2023年12月に施行された改正空家法から約3年が経ったいま、制度の整備と現場の実態の間には依然として大きな溝が残っている。 何が起きているのか 国土交通省が2026年8月に公表した...
リード まず事実から確認しておく。2026年7月末に公表された2025年国勢調査の確定値では、総人口が1億2,012万人となり、2020年調査比で約94万人減少した。同時に、人口戦略会議が「消滅可能性自治体」と分類する市区町村の数は523に上り、2014年の日本創成会議による推計(896自治体)とは単純比較できないものの、過去10年の対策効果が限定的であることを改めて示した形だ。 何が起きているの...
リード まず事実から確認しておく。厚生労働省が2026年6月に公表した統計によれば、日本国内の外国人労働者数は373万8,000人に達し、前年比で約14%増加した。2024年の入管法・育成就労制度の施行を機に加速した流入は、数字の上では「成功」に見える。だが現場の声は、受け入れの「量」と「質」の乖離を正直に映し出している。 何が起きているのか 2024年6月に施行された育成就労制度は、旧来の技能実...
リード まず事実から確認しておく。厚生労働省が2026年6月に公表した「2025年人口動態統計(概数)」によれば、年間出生数は約68万4千人と、統計開始以来初めて70万人の大台を割り込んだ。合計特殊出生率は0.95と、前年の0.97からさらに低下した。政府がこの10年で投じた少子化対策の予算は累計で数兆円規模に上るにもかかわらず、である。 何が起きているのか 厚生労働省の発表データによれば、202...
リード まず事実から確認しておく。2026年6月時点の在留外国人数は推計220万人超(出入国在留管理庁)。2024年6月に施行された育成就労制度は、30年続いた技能実習制度を廃止し「労働力確保」と「人材育成」の両立を掲げた。だが制度発足から2年、現場では想定外の課題が次々と表面化している。 何が起きているのか 出入国在留管理庁の2026年3月末統計によれば、育成就労の在留者はすでに約18万人。旧・...
リード まず事実から確認しておく。2026年6月末時点の在留外国人数は法務省の速報値で約380万人、うち就労資格を持つ者は110万人を超えた。旧・技能実習制度を廃止し、昨年4月に本格始動した「育成就労制度」は、制度設計の「理念」と現場の「運用」のあいだに埋めきれない溝が生まれつつある。 何が起きているのか 育成就労制度は、最長3年の「育成就労」期間を経て特定技能1号・2号へのステップアップを想定し...
リード まず事実から確認しておく。文部科学省の集計では、2025年度に廃校となった公立小中学校は全国で約480校にのぼった。ピーク時の2002年度(約630校)より件数は減ったものの、近年は「底打ち」の気配がない。少子化・地方財政の悪化・人口流出という三つの力が交差する地点で、学校という公共インフラが静かに消えていっている。 何が起きているのか 文部科学省「廃校施設等活用状況実態調査」(2025年...
リード まず事実から確認しておく。2025年度中に水道料金を値上げした、または値上げを予定した自治体は全国で100を超え、上昇幅が30%以上に達した地域も複数報告されている。背景にあるのは、高度経済成長期に整備された管路の老朽化と、人口減少による料金収入の縮小という二重の圧力だ。「蛇口をひねれば水が出る」という日常の前提が、静かに揺らいでいる。 何が起きているのか 国土交通省の調査によれば、全国の...
リード 中央最低賃金審議会が6月下旬、2026年度の引き上げ額に関する目安審議を本格化させた。政府が「できる限り早期に」と掲げる全国加重平均1500円の目標に対し、現行(2025年10月改定)は1078円——残り422円という数字の向こうに、都市と地方の分断が横たわっている。これは賃金問題というより、地域間の経済格差と産業構造の問題に近い。 何が起きているのか 厚生労働省の中央最低賃金審議会は毎年...
リード まず事実から確認しておく。法務省の在留外国人統計によれば、2025年末時点の在留外国人数は約343万人に達し、過去最多を更新した。総人口に占める割合は2.8%に迫り、製造業集積地や都市部を中心に、住民の10%を超える外国籍住民を抱える自治体も現れ始めている。「多文化共生」という言葉は久しく政策文書に踊ってきたが、いまや理念ではなく、ゴミの分別から子どもの就学まで、現場の自治体職員が毎日処理...
リード まず事実から確認しておく。2025年の出生数は速報値で約72万3,000人、前年比で約2万人減となり、統計開始以来の最低を3年連続で更新した。政府が「次元の異なる少子化対策」と位置付けた児童手当の大幅拡充が2024年10月に始まってから、すでに1年半近くが経過している。給付規模を拡大した政策の効果はどこに現れ、何が依然として課題として残っているのか。 何が起きているのか 2024年10月、...
リード まず事実から確認しておく。2024年に対象分野が大幅に拡充された特定技能制度のもと、2026年3月時点の特定技能在留外国人数は約42万人に達し、制度発足時の2019年比で実に20倍超の水準となった。数字だけ見れば「拡大は順調」に映る。だが全国各地の自治体から聞こえてくるのは、「人は来た、体制は間に合っていない」という声だ。 何が起きているのか 出入国在留管理庁が2026年5月に公表した統計...
まず事実から確認しておく 2024年、技能実習制度が廃止され「育成就労制度」が成立した。2026年現在、同制度は本格稼働から1年余りを経た。在留外国人数は2025年末時点で約350万人を超え、過去最多を更新し続けている。だが「制度が変わっても現場は変わらない」という声が、取材を通じて繰り返し聞こえてくる。 何が起きているのか 育成就労制度は、技能実習制度が長年抱えてきた「強制労働」「人権侵害」とい...
リード まず事実から確認しておく。厚生労働省が2026年6月5日に発表した2025年の人口動態統計(速報)によると、合計特殊出生率は1.14となり、2023年の1.20を下回って過去最低を更新した。戦後初めて1.1台に転落した数字は、こども家庭庁が2023年度以降に累計約2兆円を投じてきた少子化対策の「成果」を根本から問い直している。 何が起きているのか 速報値によれば、2025年の出生数は65万...
リード まず事実から確認しておく。総務省「住宅・土地統計調査」の最新集計によれば、全国の空き家数は推計1,000万戸を超える水準に達したとみられている。5年前の調査では約849万戸だった数字が、人口減少と高齢化の加速を背景に1割以上膨らんだ計算だ。単なる不動産問題ではなく、地域社会の安全・景観・財政を同時に侵食する構造的な課題として、いま改めて問い直される局面にある。 何が起きているのか 国土交通...
リード 5月29日、総務省は2025年国勢調査の速報値を公表する予定だ。これにより複数の都道府県議会で「人口と定数の逆転」——少ない人口の選挙区が多い議席を持つ状態——が顕在化する見通しで、6月議会での条例改正を迫られる自治体が相次ぐ可能性がある。これは選挙制度の技術的な問題にとどまらない。民主主義の基盤となる「1票の等価性」をどう担保するかという、構造的な問いである。 何が起きているのか 国勢調...
リード まず事実から確認しておく。英国がEUを正式に離脱したのは2020年1月31日。それから約5年が経過した今、連合王国の内部では想定を超えた「解体圧力」が高まりつつある。スコットランド・ウェールズでの独立派台頭、北アイルランドにおける統一派第一党化、そして移民急増に伴う社会的摩擦——。Xではこの英国の現状を見て「日本は何を学ぶか」という問いかけが広がっており、それは単なる傍観者の感想で終わらな...